2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

古本祭りで数十冊

晴れ。 朝、沼田曜一の訃音を知る。享年八十一という。 さて、今日はよく眠れたし、用事も特になかったので、四天王寺の古本祭へ行くことにした。午過ぎに家を出る。四天王寺に着いたのは午後一時四十分。 まずは百均を漁る。そこで、大江玄圃口授『詩礎國字…

ハイキング

曇り。午後から晴れ。 新歓ハイキングのため、朝から出る。数箇月ぶりで京都へ。東福寺、泉湧寺などを巡る。紅葉の季節ではないが、東福寺通天橋からの眺望は良かった。新緑が映えて鮮やかだった。また、「春の名宝展」が開催されていたので、明兆の水墨画な…

稲荷信仰

晴れ。 午後から夕方まで大学。K君と帰る。 KA君が四天王寺(春の大古本祭り)に行ったのだそうで、収穫品を見せてもらう。私は三十日(最終日)に行きたいのだが、時間があるかどうか。 松村潔『日本人はなぜ狐を信仰するのか』(講談社現代新書)をすこし…

荒井晴彦

曇り。 朝から夜まで大学。吉川幸次郎『元明詩概説』(岩波文庫)を読む。 西田龍雄『西夏文字』(紀伊國屋新書)を、すこし読む。 来月の衛星劇場「日本映画脚本家列伝」に、いよいよ荒井晴彦が登場する。 『新宿乱れ街 いくまで待って』『ダブルベッド』『…

酒井氏の啓蒙書

晴れ。 午後から大学。夕刻帰る。 酒井邦嘉『科学者という仕事―独創性はどのように生まれるか』(中公新書)を半分ほど読む。前著『言語の脳科学』が面白かったので読んでいるのだが、こういう啓蒙書もなかなか良い。研究者の心得や覚悟についても述べてあっ…

曲の名は

晴れ。 予行演習後、新歓コンパ。 何故だか分らんが、自己紹介で、「本が好きです」とは言いにくい。 「クラシックが好きです」というのも、ちょっと言いにくい(妙な誤解を招いたことがあるし)。 最近、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第八番 ハ短調「悲愴…

父の定年退職

晴れ。 木山捷平『大陸の細道』を、ちびり、ちびりと読む。 いよいよもって、父が定年退職を迎えることとなった。 四十年間、本当にお疲れさまでした。そして有難う。これで悠悠自適……というわけにもいかないでしょうが、趣味の水墨画は頑張って続けてくださ…

みどりのそよ風

曇り。 「A ホームズHハウス」のCMで、「みどりのそよ風」が流れているというので、母が懐かしそうに口遊んでいる。「みどりのそよ風」は、戦後まもない頃に作られたもの(しかも草川信の遺作だという)とはとても思えないほど明るい曲調だ。 『うたいつがれ…

木山捷平、上林暁

晴れ。 朝、ベルリン・フィル&ピエール・フルニエ(チェロ)『ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調/エルガー チェロ協奏曲ホ短調』(ドイツグラモフォン)を聴く。指揮は、セルとウォーレンスタイン。お気に入りの一枚である。 夜、寝床で、木山捷平『大陸の…

貸本屋の昨今

晴れ。 書類提出のため、朝から大学へ。午後演習。 SFさんに、明治後期の『東京朝日新聞』の縮刷版を見せて頂いた。「貸本屋の昨今」という連載記事をおもしろく読む。例えば次のようなくだりに反応。「婦人向きには己が罪、乳兄弟、伯爵夫人、不如歸、良…

ミュンシュのベートーヴェン

晴れ。朝から午後まで大学。 シャルル・ミュンシュ&ボストン交響楽団『ベートーヴェン 歌劇「フィデリオ」序曲 交響曲第三番変ホ長調「英雄」 交響曲第一番ハ長調』(RCA)を聴く。

『黒いハンカチ』

晴れ。夜雨。午後大学。U君と帰る。 一日一篇ずつ読んでいた、小沼丹『黒いハンカチ』(創元推理文庫)をやっと読了。面白かった。私は、これを主に通学時の車中で読んでいた。坪内祐三氏も、「車中や旅先、あるいはプールサイドのデッキチェアでの『夏の読…

書くことがない

晴れ。午後大学。

それは「盆池」ではないのか

晴れ。久しぶりに天気が良い。 午後から大学。近所の桜はいよいよ満開だが、大学構内の桜はすでに葉桜だ。 Aで、三田村鳶魚著 朝倉治彦編『鳶魚江戸文庫1 捕物の話』(中公文庫)390円、池部良『風、凪んでまた吹いて』(講談社文庫)100円を買う。 加賀野井…

そして一日が過ぎゆく

曇り。時々雨。 諸々の用事をこなしていくうちに一日が過ぎ去っていった。三好徹『評伝 緒方竹虎―激動の昭和を生きた保守政治家』(岩波現代文庫)を少しだけ読む。

高山氏の名著を再読

雨。 幾つかのブログに書いてあったが、「フロントランナー」(朝日新聞)に、八木福次郎氏のインタビューが載っている。今日は、これを読むことから始まった。 午後から夕刻まで研究会。K君、Hさんたちと帰る。 帰途、K書店に立寄る。国広哲弥『日本語の多…

モーツァルトの代表的ピアノソナタ

曇り。午後から大学。 加賀野井秀一『日本語を叱る!』(ちくま新書)を読みはじめる。加賀野井氏の本を読むのはこれで四冊めになるのだけれど、相変わらず面白い。第一章や第二章には、『日本語の復権』(講談社現代新書)と重なる話題もある。 モーツァル…

和本礼賛

曇り。 朝から大学。某先生から「著者割」で、ご高著をお譲り頂く。 細谷正充編『松本清張初文庫化作品集4 月光』(双葉文庫)を買う。細谷氏の「解説」によれば、「『松本清張初文庫化作品集』と銘打ったシリーズも、第四弾となる本書『月光』で、ひとまず…

『南の探検』

曇り。 午後から大学。学術誌の発送をすこしだけ手伝う。 昨日読んだ、樽見博『古本通―市場・探索・蔵書の魅力』(平凡社新書)に、「戦前の華族の中には、絶滅鳥ドードーの調査や、有尾人捜索探検に取り組んだ日本生物地理学会の創設者蜂須賀正のような、一…

『古本通』

雨。風強し。 午後から大学。授業後、演習準備など。K君と帰る。 このところ、小沼丹『黒いハンカチ』(創元推理文庫)を一日一篇のペースで読みすすめていたのだけれど、今日はお休み。その代わりに、千葉俊二・坪内祐三編『日本近代文学評論選【明治・大正…

『夜ごとの美女』

小林信彦『にっちもさっちも 人生は五十一から(5)』(文春文庫)を買う。この単行本が出たころ(もう三年も前の出来事なのか)、Kさんから、「獅子文六を再評価しよう」という文章が入っていることを教わったので、文庫化を楽しみにしていたのだ。 もちろん…

『二銭銅貨』をめぐって

永井龍男『黒い御飯』など読む。『黒い御飯』に、「今でもあの不便な二銭銅貨は、ひと昔とでもいったような懐しい重みを持っているように感じられる」という一節がある。これは大正十二(1923)年の七月、『文藝春秋』に掲載されたものである。 同年四月には…

『皇帝』

曇り。 イタリア弦楽四重奏団『ハイドン弦楽四重奏曲 第六十三番「ひばり」 第十七番「セレナード」 第七十六番「五度」 第七十七番「皇帝」』を聴く。最近復活した名盤で、PHILIPS。 『皇帝』の第二楽章は、「皇帝讃歌」(ハイドン作曲。オーストリアを讃え…

『北の人』のこと

晴れ。 気持ちがよいくらい晴れているので、朝早くから出掛けることにする。授業や説明会は午後からだから、ちょっと足を伸ばす。桜はまだ満開でない。 Eで、池上嘉彦『記号論への招待』(岩波新書)100円を買う。Tで、金田一京助『鈔本 北の人』(青磁社…

『桜島』

梅崎春生『桜島』が、思っていたよりも面白かったので、「つまみ読み」しかしていなかった本多秋五『物語 戦後文学史(上)』(岩波現代文庫)を取り出して読み直す。これに「梅崎春生のデビュー」という一節がある。 本多氏は、浅見淵の短評(『物語 戦後文…

入学式

小雨ふる。 入学式のため、朝早く家を出る。今日のお供本は、森銑三『瓢箪から駒―近世人物百話』(彌生書房)。無名の人物が多いから、まるで hors d'oeuvre のような作品群で、どこから読んでも楽しめるし、どの小品にも清新なたたずまいがある。 オリエン…

ハリー・フーディーニ

ジム・ステインメイヤー著 飯泉恵美子訳『ゾウを消せ―天才マジシャンたちの黄金時代』(河出書房新社)を時々開いては少しずつ読んでいる。この本の実質的な主人公はハリー・フーディーニだから、やはりフーディーニを論じたくだりが一番おもしろい。 心霊主…

松本竜助

松本竜助が亡くなった。享年四十九。 井筒和幸『ガキ帝国』(1981)のチャボの死と重ね合わせてしまいたくなるのは、なにも私だけではないだろう(そういえばケン=趙方豪も夭逝した)。ご冥福をお祈りします。

頑張れ書肆心水

「書肆心水」の新刊二冊を本屋で見かけた。『宮崎滔天 アジア革命奇譚集』(『明治国姓爺』と『狂人譚』を収めている)と、渡辺京二『評伝 宮崎滔天』である。後者は、約三十年前に刊行された本の新版。渡辺氏は新たに附されたあとがきで、今どきこんな本を…

不世出の棋士

河口俊彦『大山康晴の晩節』(新潮文庫)は、名棋士・大山康晴の傑作評伝である。加藤一二三とか中原誠とか谷川浩司とか升田幸三とか、一般によく知られている棋士も多数登場する。面白く読んだが、感想を書くと長くなりそうなので書かない。 以下、池内紀氏…