2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『センセイの書斎』を買う

晴れ。 Kで、内澤旬子『センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場―』(幻戯書房)を購う。Kでは昨日から平積みにされていたが、昨日は持ち合わせがなく断念したのだった。「おわりに」の「主が彼岸の国へ旅立ってしまった書斎」に、金田一春彦氏と千…

誤植と古本と

晴れ。一時雨。 午後大学。某君から、熊本大学・映画文化史講座編『映画 この百年―地方からの視点』(熊本出版文化会館)をお借りする。 高橋輝次『関西古本探検―知られざる著者・出版社との出会い』(右文書院)を読む。思わぬ収穫もあった。例えば「詩を書…

伊路波

晴れ。 松本清張の短篇ふたつ。村井弦斎『食道楽(上)』(岩波文庫)を読みはじめる。 あるところで、「神原文庫」のパンフレットを目にした。朝鮮銅活字版『伊路波』が所蔵されていることを初めて知った。浜田敦や河野六郎に、『伊路波』に関する論文があ…

天の川叙情

晴れ。 ラフカディオ・ハーン 池田雅之編訳『妖怪・妖精譚【小泉八雲コレクション】』(ちくま文庫)を読む。これに「天の川叙情」(The Romance of the Milky Way)という素晴らしいエッセイが収められている(pp.157-72)。編訳者の池田氏は、「再話という…

赤木圭一郎の時代

曇り。夜から雨、の予報がはずれる。 午前中に家を出る。京都の某大での例会のため。 車中で、築島裕『歴史的仮名遣い―その成立と特徴』(中公新書)、小松英雄『日本語書記史原論[補訂版]新装版』(笠間書院)の第三・第四章を読む。 会場となる某大は、き…

打ち上げ会

時々雨。 午まえに家を出て、駅の売店で『Newton』七月号を買う。なんでも第三百号を突破したのだそうで、分かりやすい「量子論」を特集している。シュレーディンガーの「半分死んだ猫」も載っている。 大学で、某さんから新村出編纂『言苑』(博友社)の「…

黒猫

晴れ。 朝から大学。研究会後、飲み会。 馬渕和夫『五十音図の話』(大修館書店)を読みすすめる。 メルヴィル 八木敏雄訳『白鯨(上)』(岩波文庫)再読。八木訳といえば、この『白鯨』以外では『緋文字』が良かったっけ。最近出た、ポーの八木敏雄訳も読…

一九七九年的

曇りのち晴れ。一時雨もふる。 午まえに大学へ。余裕をもって出たつもりだったが、アクシデントのため会に遅れる。 なぜか体験談を語らされる(冷や汗をかかされながら)。べつに面白いことを言った積りではなかったのに、周囲に笑われる(しかも含み笑いで…

合衆国

雨。 午後から大学。 時子山常三郎『早稲田生活半世紀』(早稲田大学印刷所)を拾い読みしていたら、「『早稲田政治経済学雑誌』創刊のいきさつ」という文章があった(pp.30-32)。 この『早稲田政治経済学雑誌』に、増田富寿「誤訳と誤解」なる論考が掲載さ…

お伝の最期

晴れ。 今日はドイルの生誕日。 午後から大学。書籍部で、鹿野政直『岩波新書の歴史 付・総目録1938〜2006』(岩波新書)と山口仲美『日本語の歴史』(岩波新書)を買う。 永山勇『仮名づかい』(笠間書院)、中村隆文『男女交際進化論 「情交」か「肉交」か…

『二つの花』

晴れ。 大庭秀雄『二つの花』(1952,松竹大船)を観る。 原作は永井龍男『鳩舎』。『婦人朝日』に昭和二十五(1950)年三月から翌年の二月まで連載された作品だという(『永井龍男・田宮虎彦集』集英社日本文学全集附「年表」を参照)。 衛星劇場の「銀幕の…

伊豆の踊子

鈴木日出男 天野紀代子編『益田勝実の仕事4 秘儀の島』(ちくま学芸文庫)を読むが、内容がスンナリ頭に入って来ない。例えば「読み・潜在への旅―ひとつの記紀神話の座標を求めて―」は、音声言語と文字言語の別についての話に始まるのだが、「文字のことば」…

大楠道代の声から

大雨。 午後から大学。『國文學』(六月号)が「映画の最前線」という特集を組んでいて、四方田犬彦や和田忠彦が書き手として名を連ねている。 そのうち二、三の記事を読んだ。特に阿部嘉昭の「日本―荒戸源次郎論」は、安田(現・大楠)道代の「声」の変化に…

田村高廣

曇り。 田村高廣の訃報を知り、驚く。『野菊の如き君なりき』や『眠狂四郎女地獄』、『愛の亡霊』は傑作であった(個人的には『泥の河』も好きなのだが、蓮實重彦氏は批判していた)。 朝から大学。夕方帰る。横田順彌『嗚呼!! 明治の日本野球』(平凡社ライ…

誤読

雨。 大西巨人の『神聖喜劇』がコミック化されているというので本屋に行ってみたが、見当らない。 午後から大学。書籍部で、イェスペルセン 安藤貞雄訳『文法の原理(上)』(岩波文庫)と斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書)とを買う。斎藤氏の本は…

久々のバトン

曇り。 午後から大学。夜帰る。松本清張『対談集 発想の原点』(双葉文庫)を購う。対談相手は、佐野洋、五木寛之、井上ひさし、筒井康隆の四人。約三十年前に双葉社から刊行されたものだそうだが、知らなかった。これまで双葉文庫といえば、(私にとっては…

学海余滴

晴れ。 朝、瑞穂春海『お景ちゃんと鞍馬先生』(1952,松竹大船)を観た。原作は中野實。『面白倶楽部』に連載されていたものらしい。 今月、衛星劇場の「銀幕の美女シリーズ」がなんと「淡島千景」を特集しており、『自由学校』『美貌と罪』『二つの花』『…

東京から帰って来ました

有意義な四日間だった。 先生方の謦咳に接することができたし、MさんやIさんに直接お会いする機会を得たのも本当に良かった。TさんとかSさんとか、話したことのあまり無かった後輩(先輩)と色々話せたのも嬉しかった。 5.11(木) 曇り。散々迷っておき…

あまり楽しくない文庫選び

雨。 午後から大学。午後七時半に帰る。 上村行世編『エピソードでつづる学生食生活史[戦前編]』(上村行世*1)を読む。これは面白い。引用*2が多く、説明が最小限に抑えられているのがかえって良い。 小松茂美『天皇の書』(文春新書)を購い、ぱらぱらとや…

グレーゴル・ザムザ

晴れ。 午後から大学。夜九時まで大学。 発表資料を印刷する。組み作業を七人の方々が手伝って下さった。お蔭でたいへん助かった。 研究室で、中村明「随感 ゆりかごの小沼丹」(『早稲田日本語研究』第15号所収)を読む。中村氏は、未知谷刊『小沼丹全集』…

木暮實千代のような

晴れ。 午飯時にテレビをつけたら、民放のワイドショーにたまたま栗原玲児氏が出演していて、ある女容疑者を「木暮實千代のような美人」と形容していたので、つい反応してしまう。確かに、その容疑者は木暮實千代に似ているが、杉葉子や藤原京(「たかし」で…

タブロー・ド・パリ

雨。 このGW(金・土・日)、勧業館の即売会(五日迄)にも行かずワゴンセール・新古書店にも行かず(行けず)。発表資料の手直しをしたり本や論文を読んだりしていたら、いつの間にやら終ってしまっていた。だが、出不精の私には、こんな休日の過し方のほう…

すべからく

曇り。夜から雨。 午後散髪。その帰途Kに寄り、澁澤龍彦『太陽王と月の王』(河出文庫)を購った。一九八〇年に大和書房から刊行された同名の書を文庫化したもの。このなかに「すべからく」という文章が収められていて、あ、これは「すべからく」の誤用を批…

アイブラウって何

晴れ。 今日は、家でおとなしくしていた。 『洋裝語全集』(婦人畫報 新年號 別册附録)をパラパラと見る。昭和十(1935)年に出たものだ。かなりいいかげんな用語集で、たとえば「リボン」項には「所謂リボンのことです」とあるのみだし、「アット・ホーム…

大会日和

晴れ。 恒例のスポーツ大会。数大会ぶりで優勝(私はチームに貢献してないけれど)。夜は飲み会。二次会まで。 河盛好蔵『エスプリとユーモア』(岩波新書)を読む。

ミリオン・ブックス

晴れ。 きのう買った、平井昌夫『新版・魅力のある会話―話しことばの研究室―』(講談社ミリオン・ブックス)には、巻末に「ミリオン・ブックス総目録」が附いていて、(昭和三十七年五月の段階で)このシリーズにどんな本が入っていたか分るようになっている…

またぞろ古本を買ってしまう

晴れ。今日は、風がやや強い。 用事があったので外出。その帰途、キャンドゥに寄る。 府川充男監修・執筆『難読即解 国語辞典』(キャンドゥ)、府川充男 小池和夫監修・執筆『必携 漢字字典』(キャンドゥ)を買う。計二百円。 『難読即解 国語辞典』は刊年…

『関の彌太ッぺ』

晴れて暑し。まるで夏日。 午から大学。夕方帰る。 朝、山下耕作『関の彌太ッぺ』(1963,東映)を観た。すでに七、八回ほど映画化された、長谷川伸原作の時代劇ロマン。やはり大傑作だ。この山下版、というか、中村錦之助(萬屋錦之介)=彌太郎版『関の彌…