2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

十二月八日の小林少年

晴れ。 後輩の某さんが、小川環樹の血縁者であることを知って驚く。 「どういうひとか、あまり知らないのですが……」と彼女は言っていたが、私は、「タタタマキって、あのおお小川カンジュだよね! 均社を設立された先生ですよ、『新字源』の編者ですよ」と、…

作品の冒頭

曇り。 最近、勢古浩爾氏が、『結論で読む人生論―トルストイから江原啓之まで』という本を出した。 その伝でゆけば、世には「冒頭で読む名作」というのもある、と言うことが出来るかもしれない。などと唐突な書き方をしたのは、阿刀田高『ことば遊びの楽しみ…

知的生活の方法

曇り。 グレアム・グリーン 丸谷才一訳『ブライトン・ロック』(ハヤカワepi文庫)をすこし読む。 本を整理していると、渡部昇一『知的生活の方法』『続・知的生活の方法』(講談社現代新書)が出て来たのでざっと読む。実をいうとこの『知的生活の方法』は…

オムニバス映画

夜、成瀬巳喜男ほか『くちづけ』(1955,東宝)を観た(増村保造デハナイ)。オムニバス映画で、筧正典「くちづけ」(第一話)、鈴木英夫「霧の中の少女」(第二話)、成瀬巳喜男「女同士」(第三話)の三話構成。 『青い山脈』の系譜に位置づけられそうな「…

雑誌をいただく

曇り。 とある行事の打合せのため、午前中から大学。 某先生(今年退職された)架蔵の雑誌類を頂けることになったので、運搬作業をお手伝いした後、さっそく物色をはじめる。 頂いたのは、『国語学』『國語國文』『日本文学』など専門分野に関するものが殆ど…

島田虔次の名著

島田虔次『朱子学と陽明学』(岩波新書)を読む。たぶん三度目。蓋し名著と言うべし。 呉智英氏は、『封建主義者かく語りき』(双葉文庫)のなかで、「島田は、儒教という現代日本人にとってまったく異質な思考体系を、その内部から説くことができる信頼に足…

進化バトンというらしい

id:warkoさんからバトンが廻って来たので、やってみます。

フォーラムと、ぷち古本屋めぐり

晴。 午後から、京都で文字研のフォーラムがあるので、午前中に家を出る。 車中で専門書と、永嶺重敏『怪盗ジゴマと活動写真の時代』(新潮新書)を読む。後者は読了。「非常にスコブル」面白い本。私は、『じゃあまん探偵団 魔隣組』(おお懐かしい)に出て…

『東亰時代』から

晴。 午から大学。夕方帰る。 帰途、小木新造『東亰時代―江戸と東京の間で』(講談社学術文庫)を購い、喫茶店で読み始める。以前、くうざん本を見るに「亰」字のことで引用されており、気になっていた本だ。 「上からは明治だなどと言ふけれど治明(おさま…

赤堀又次郎の話

反町茂雄『一古書肆の思い出』(平凡社ライブラリー)は、大学に入学したばかりのころ、書籍部で平凡社ライブラリーフェアがやっていたので、その時店頭に出ていた『一古書肆の思い出(1)〜(3)』を二千数百円で入手した。四巻と五巻は、その後かなり経っ…

晴。 演習後、K君・M君と共に某君宅に招かれる。郷土料理を御馳走になる。 スペイン対ウクライナ戦の前半、『下妻物語』をちょっとだけ観せてもらって帰る。

曇り。 午後から大学。某さんとたぶん初めて(勉強以外のことを)話す。矢田挿雲『江戸から東京へ』を持っていると聞き、羨ましく思う。

作られたものから作るものへ

晴。 西田幾多郎「絶対矛盾的自己同一」(上田閑照編『西田幾多郎哲学論集Ⅲ』岩波文庫所収)を読む。 以前読んだ「場所」よりもずっと読みやすく感じたが、分ったような分らんような。いや、それ以前に繰り返しが多すぎる。 某フォーラムの会費を振り込んだ…

思い出した

曇り。 昨日思い出せないと書いた、坪内氏の『腹立半分日記』への言及。 思い出した。坪内祐三『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(新潮社)だ。 しかも筒井康隆は、当時、同誌(『面白半分』のこと―引用者)に「腹立半分日記」を連載していた。これは愛…

シリーズ民間日本学者

曇り。 所用あって出る。「お供本」は、たまたま目にとまった筒井康隆『腹立半分日記』(文春文庫)。 南陀楼綾繁氏が、文春文庫のうちで最も好きな「日記本」として挙げておられたので、気になってブックオフで買っておいたものだ。 たしか坪内祐三氏がこの…

ことばの履歴

曇り。 午後から大学。夜九時ころ帰る。 書籍部で、山田俊雄『ことばの履歴』(岩波新書)を購う。 六年前、小さな新本屋(「買切り制」だから小さい本屋では回転率が悪く、古いも手に入ったわけです)で買いそびれて、何故かそのまま出会うことのなかった本…

憂鬱な雨

曇り。夕方以降は雨。 山田俊雄『日本語と辞書』(中公新書)、村井弦斎『食道楽(上)』(岩波文庫)を読む。 夜、カール・ベーム&ウィーン・フィル『シューベルト 交響曲第九番ハ長調「ザ・グレイト」/「ロザムンデ」序曲』(DG)を聴く。 演習準備。『伊…

宇野哲人の本

晴れ。 午後から大学。夜帰る。 宇野哲人『清国文明記』(講談社学術文庫)という本が最近出て、いまこれを読んでいるのだが、「宇野哲人」という著者名が目に入らなかったら、多分手に取ってさえいなかっただろう。『支那文明記』のことだと知って、ようや…

大学生のための…

晴れ。 午後から大学。夜帰る。石原千秋『大学生の論文執筆法』(ちくま新書)を読む。二部構成。第一部では、役に立ちそうな部分と立ちそうにない部分、同意できる提案と同意しかねる提案とがあったが、全体的には面白く読んだ。 同意しかねる提案というの…

日本語の起源

阪倉篤義『日本語の語源』(講談社現代新書)を読む。また、安本美典『新説! 日本人と日本語の起源』(宝島社新書)が出てきたのですこし読む。安本氏には『日本人と日本語の起源』(毎日新聞社?)という著作もあって、これは中身を見ていない。『新説!〜…

あいつはあいつ オレはオレ

晴れ。 外に出る用事特になく、家で演習準備など。 午後、中平康『あいつと私』(1961,日活)を観た。原作は石坂洋次郎の同名小説(『週刊讀賣』に連載)。『危いことなら銭になる』と同じく、主題歌の作詞を担当したのが谷川俊太郎で、その突飛さが愉快だ。…

講演会とワゴンセールと

晴れ。 午前中に家を出る。 きょうは「阪急古書のまち」のワゴンセールの日なので、久しぶりで行くことにする。 野見山暁治『四百字のデッサン』(河出書房新社)300円、村上浪六『放言録』(至誠堂)300円、児玉幸多ほか編『史料による日本の歩み【中世編】…

サムハラ

曇り。午後から大学。 山崎美成『提醒紀談』(『日本随筆大成』第二期二巻所収)を読んでいると、その「符字」で、「さむはら」に出くわした。「さむはら」には色々の宛字があるが、「〔扌+合**辛〕抬〔扌+合**辛〕〔扌+包**口〕」と宛てるのが一般…

四つ目の聖人

晴れ。朝から大学。蒼頡たちの宴―漢字の神話とユートピア作者: 武田雅哉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1994/08メディア: (B) クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る武田雅哉『蒼頡たちの宴』(ちくま学芸文庫)再読。昨日某さんに、「結縄は伏…