2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ふたたび植村清二

◆植村鞆音『歴史の教師 植村清二』(中央公論新社)が、おもしろい。植村清二の松山高等学校時代の教え子には池島信平や奈良本辰也、村上信彦らがいて、新潟高等学校(現・新潟大学)の教え子には綱淵謙錠、利根川裕、中山公男、野坂昭如、丸谷才一らがいる…

植村清二

◆西丸震哉『山だ原始人だ幽霊だ』(角川文庫,1981)の「解説」(星新一)に、「西丸さんとはじめてお会いしたのは、ある雑誌での平野威馬雄さんを加えての座談会であった。怪奇特集号のたぐいで、平野さんが「お化けを守る会」に熱中しておられるころだった…

『血の収穫』

◆小林信彦さんが、本日付の『朝日新聞』に、「〈立っているだけでおかしい〉人―植木等さんを悼む」という追悼文を寄せている。「くり返し書いていることだが、植木さんはナマの舞台がもっとも面白く、次がテレビのバラエティ(「シャボン玉ホリデー」など)…

惜別会と古書店と

惜別会のため、大阪市内の某ホテルへ行くことに。早めに出て、大阪駅前第三ビルの汎書店で、鈴木和年『ある映画人の定年』(朝日文庫)250円、江藤淳『アメリカと私』(講談社文庫)150円、小泉信三『読書雑記』(潮文庫)100円、堀辰雄『聖家族・燃ゆる頬 …

澁谷實の『もず』、その他

一昨日、澁谷實『もず』(1961,文芸プロ=にんじんくらぶ)を観た。淡島千景の貫禄(それにしても「五十歳」という設定にはちと無理があったか)、それ以上に迫力のある山田五十鈴に圧倒される一本。有馬稲子の演技はまだちょっと生硬。成瀬巳喜男や今井正…

清張ブーム

松本清張に関連するものは、書籍にしろテレビ番組にしろ、なるべく目を通すことにしている。最近(ここ二箇月)の関連書籍をみてみると、全集未収録の『決戦川中島』が幻冬舎から発売されたし(解説は塩澤実信)、おなじく川中島の戦に材をとった「川中島の…

読書の腕前

岡崎武志『読書の腕前』(光文社新書)を、電車に揺られながら読了。退屈男さんがさっそく読了後の感想を書かれているように、わたしもたいへん面白く読んだ。佐藤泰志、プリーモ・レーヴィなど、気になる固有名詞をチェックしながらの楽しい読書だった。「…

宮城まり子の歌

一昨日、毛利正樹『黒猫館に消えた男』(1956,新東宝)を観た。唐沢俊一氏が書いているように、正しく「大珍作」なのである。「迷作」といってもいい。コミック・ミステリーなのか、はたまたサスペンス・コメディなのか、よく分からない。いや、そんな区別…

ディスカバー・ジャパン

森彰英『「ディスカバー・ジャパン」の時代――新しい旅を創造した、史上最大のキャンペーン』(交通新聞社)を読んだ。同書に、 「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンは、足掛け七年間続いて、昭和五十一年に終わった。終了宣言を出したわけではない。使命…

「青線」つけたり

以前書いた、青線。広岡敬一『戦後性風俗大系―わが女神たち―』(小学館文庫)*1でも、 「赤線地帯」とは、「旧遊廓」のことを指す。警察当局が、地図に旧遊廓の公認売春地帯を赤線地帯で囲んだことから、この呼び名が慣用語になった。非公認の売春地帯は青線…

一月・二月に観た映画

某さんに、「ことし観た映画」のご紹介を約したのですが、それを年末に行うとなると、記憶が曖昧になりそうですので、キリのよいところでまとめて紹介して行くことにします。 今回は一月・二月に観た映画を挙げておきます。月によって本数にかなりムラがある…