2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

柳沢有紀夫『日本語でどづぞ』(中経の文庫)第二弾、『世界ニホン誤博覧会』が、こんどは新潮文庫から出ていた。前著よりも、分類基準がわかりやすくなって来た。 p.215、薬局の看板字を「わぁ〜すで〜い!」と解しているが*1、この「で」は「ご」なのでは…

そういえば、董国強編著『文革―南京大学14人の証言』(築地書館)の「コラム3 匡亜明と溧陽分校」に、安藤彦太郎が出て来た。 文革前夜の中国に二年間にわたり滞在するという、中国と国交のなかった当時の日本人としては極めて貴重な体験をした安藤彦太郎(…

出来ればながながと感想を書きたいが紹介だけ。

文革‐南京大学14人の証言作者: 董国強(南京大学歴史学科副教授)[編著],関智英[編訳/解説],金野純[編訳/解説],大澤肇[編訳/解説]出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2009/11/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ …

購書記録から

十二月某日 おくだで猪俣勝人・田山力哉『日本映画作家全史上・下』(現代教養文庫)500、三京で貝塚茂樹・小川環樹『日本語の世界3 中国の漢字』(中央公論社)1000をようやく入手、このシリーズの一部が文庫化され始めたとき(最終的には六巻くらい文庫化…

論語ブーム(3)

前回の記事で、『論語』は基本的に「断片」から成ると書いた。そして、簡潔であるがゆえに、解釈が困難な部分もあるのだとも。 衞靈公篇には、「子曰、辭達而已矣(子曰く、辞は達して已む)」という章がある。これを「辞は達するのみ」と読下すものもあり、…

論語ブーム(2)

「公冶長(こうやちょう)論語」、「雍也(ようや)論語」といわれる。これは、『論語』を頭から読み始めると、第五「公冶長篇」や第六「雍也篇」のあたりで挫折してしまう、――つまり、「源氏は須磨、左傳(『春秋左氏傳』)は僖公」とか「公冶長論語に須磨…

論語ブーム(1)

なぜか、「論語ブーム」だそうである。あの長山靖生さんも、『「論語」でまともな親になる―世渡りよりも人の道』(光文社新書)を出したので、ちびりちびりと読んでいる。『論語』でまともな親になる 世渡りよりも人の道 (光文社新書)作者: 長山靖生出版社/…

文学研究という不幸 (ベスト新書 264)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: ベストセラーズ発売日: 2010/01/09メディア: 新書購入: 1人 クリック: 207回この商品を含むブログ (23件) を見る 昨晩、一気に読んだ。p.201、佐々木健一の著作名が『タイトルの美学』(…

年末に放送されたNHKの「顔」(谷原章介主演)を録画で見た。主人公の出自や設定をそこまで複雑にしなくても……と少し困惑した部分もあったが、原作にはかなり忠実で(私は「原作至上主義者」ではないが)、そこそこ満足した。溝口作品での宮川一夫のクレーン…

漆山本春雨物語のこと

春雨物語論作者: 高田衛出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/12/18メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 新聞広告やブログで紹介されている高田衛氏の『春雨物語論』(岩波書店)は、まだ中身を見ていないが、それでおもい出…

恭賀新禧

当ブログでは、あいもかわらず、どうでもいいことばかり書きつらねていく所存ですが、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 - 辰野隆が、『凡愚春秋』(角川新書1957)に、 雑誌『随筆』は、昭和二十七年七月に初号、翌年の六月に当分休業号を出して、今…