2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

七十四年ぶりの新版

小説神髄 (岩波文庫)作者: 坪内逍遥出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/06/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (11件) を見る 坪内逍遥『小説神髄』(岩波文庫)が、74年ぶりに改版された。逍遥の『當世書生氣質』(岩波文庫…

この半年に観た映画の記録

(2009年12月23日〜) *印を附したのは、複数回観たことのある作品。今回から、気に入った度合を星の数で表すことにしました(5点満点。★が1点、☆は0.5点)。ただしこれは、あくまで私の気に入ったか否かを示したにすぎないので、作品の優劣にはあまり関係…

言葉のエッセイ、黒澤明生誕百年…

呉智英『言葉の煎じ薬』(双葉社)を読んでいる。呉氏のことばに関する著作は、『言葉につける薬』、『ロゴスの名はロゴス』*1、『言葉の常備薬』に続いて四冊めということになろうか。『ロゴスの名はロゴス』以降にさしえを担当していた中野豪氏が亡くなっ…

明解系国語辞書のこと

めったに引かない『三省堂国語辞典〔初版〕』を、ひさしぶりで開いてみたので、飯間浩明先生の「『三省堂国語辞典』のすすめ」(現在の記事名は「国語辞典入門」)や、柴田武監修・武藤康史編『明解物語』(三省堂2001)の「「明解」系国語辞書六十年小史」…

平山夢明『いま、殺りにゆきます』が、書下し三篇を加えてふたたび文庫化された(『恐怖実話集 いま、殺りにゆきます RE-DUX』光文社文庫)。「恐怖実話集」とあるけれども、ここに収められているのはいわゆる心霊譚ではない。たとえば、平山氏の『実録怪談…

『隣の八重ちゃん』のことば

衛星劇場が、松竹映画特集や斎藤寅次郎特集の放送を開始したので、嬉々として録画にいそしんでいる。島津保次郎の『隣の八重ちゃん』*1(1934,松竹蒲田)も、これでようやくはじめから観ることができた。クレジットタイトルによると、助監督を豊田四郎や吉…

『徒然草』

「臨場」(第2シーズン)第9話を見ていたら、卜部兼好『徒然草』を愛読するホームレスの中年男性(斎藤洋介)が登場した。文庫版のものがちらと映ったが、最近出た島内裕子校訂・訳『徒然草』(ちくま学芸文庫)よりもずっと厚かった。表紙には校注者名(?…

結城昌治のショートショート

ショートショートの世界 (集英社新書)作者: 高井信出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/09/16メディア: 新書購入: 1人 クリック: 56回この商品を含むブログ (18件) を見る ブックオフでひろった高井信『ショートショートの世界』(集英社新書)は、ショート…

購書・映画鑑賞記録抄

漢文スタイル作者: 齋藤希史出版社/メーカー: 羽鳥書店発売日: 2010/04/13メディア: 単行本 クリック: 32回この商品を含むブログ (10件) を見る とりわけ、「晴耕雨読」「緑陰読書」について書かれた章をおもしろく読んだ。 pp.123-31に湯川秀樹の話。これも…