2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

森一生『薄桜記』を観た

丹下典膳(市川雷蔵)“命助かって、これからまた、殺しにか、殺されにか、出向いて行く――修羅妄執の世界じゃのう。……生き死にの境を彷徨うていた幾月か……この湯治場に心が残るな……”(森一生『薄桜記』1959より) 市川雷蔵が好きだ。「眠狂四郎」シリーズは何…

沼本克明『濁点の源流を探る』

最近おもしろく読んだ本のうちの一冊が、沼本克明『歴史の彼方に隠された 濁点の源流を探る―附・半濁点の源流―』(汲古書院2013)。タイトルの「歴史の彼方に隠された」だとか、「はじめに」の「日本人の脳の形質の柔軟性」(p.4)だとか、なんとなく「と」…

森銑三『讀書日記』

先日、森銑三『讀書日記』(出版科學總合研究所1981)を1,500円で入手した。谷沢永一氏はかつて、「森銑三は、知る人ぞ知る奥行のはかり知れぬ碩学」(『紙つぶて 自作自注最終版』文藝春秋2005:84,1969年10月4日付)と評したことがあるが、その「奥行」の…