2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

棭齋「轉注説」など

素見ですませるつもりでM書房の文庫棚を漁っていると、背の焼けた菊判の日本古典全集(正宗敦夫、与謝野寛・晶子編纂)が出て来たので、なにげなく中身を見たら、『易林本 節用集』だった。さらに、『狩谷棭齋全集第三 轉注説 扶桑略記校譌 毎條千金』が出…

帆村荘六、金田一耕助…

ミステリー文学資料館編になる、光文社文庫のアンソロジー。今回は待ちに待った「名探偵」シリーズ。今月刊行の第一弾は、『幻の名探偵』である。 海野十三の「麻雀殺人事件」も収録されている。この短篇自体は知らなかったが、作中に帆村荘六(ほむらそうろ…

おせん泣かすな、馬こやせ

衣笠貞之助の弟子・稲垣浩のエセー集『ひげとちょんまげ―生きている映画史』(中公文庫1981)をこないだ読んでいたら、「一筆啓上、火の用心」というタイトルの文章があり(pp.85-88)、そこに「本多作左衛門の『一筆啓上、火の用心』という有名な手紙がある…

獅子文六の「ちくま文庫」デビューを寿ぐ

最近うれしくおもった出来事のひとつは、獅子文六『コーヒーと恋愛』が、ちくま文庫に入ったことである。『大番』(小学館文庫)以来、三年ぶりの文六作品の刊行だ。しかもついに、文六先生の「ちくま文庫」デビュー、なのである(ことしは、獅子文六生誕120…