2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ことば諸々

◆来〇 村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?―紀行文集』(文藝春秋2015)に、 この前『来熊』(らいゆうと読む。熊本の人々はなぜかこの言葉をよく使う。他県の人にはまず読めないだろうに)したのは1967年、僕はまだ十八歳で、高校を出たば…

芥川也寸志の『八つ墓村』、市川崑…

わたしが愛してやまない映画音楽に、芥川也寸志作曲の『八つ墓村』(サントラ盤)がある。これは、野村芳太郎『八つ墓村』(1977松竹)で使用されたものである。 芥川の『八つ墓村』は、まず、映画の前宣伝もかねて12インチのシングル盤(ビクターレコード)…

酒井抱一のことなど

先日、今関天彭著/揖斐高編『江戸詩人評伝集1―詩誌『雅友』抄』(平凡社東洋文庫2015)を読んでいると、次のような記述に行き当った。 この年(寛政七年―引用者)幕府は(柴野)栗山・(尾藤)二洲の建議を入れ、学者にして程朱を奉ぜぬものは進士を許さぬ…

『子規交流』

喜田重行氏の遺著『子規交流』(創風社出版2009)の冒頭に収める「子規と哲学僧」は、晩年の正岡子規の許に届いた書簡が、実は清沢満之(きよざわまんし)からのものではなかったか、と推測したものである。某ネット百科事典にもこの事実は記されているが、2…