2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「猫舌男爵」、中谷治宇二郎…

一年に大体一冊ずつ出ていた、ミステリー文学資料館編『古書ミステリー倶楽部』シリーズ(光文社文庫)も、とうとう今月出た第三弾で終るらしい*1。最後の三冊めにも、宮部みゆき「のっぽのドロレス」や長谷川卓也「一銭てんぷら」、小沼丹の随筆など、珍し…

後藤朝太郎の「漢和辞典改革」

一昨年、なぜか後藤朝太郎の『支那の体臭』(バジリコ)が突如として復刊されたが、後藤はこのような“ルポルタージュ”を書く以前、もっぱら「言語学者」として知られていた。 銅牛樋口勇夫の『漢字襍話』(郁文舎ほか1910)には、「漢字の言語學的研究に沒頭…