2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

梁啓超『和文漢読法』のことなど

顧頡剛/平岡武夫訳『ある歴史家の生い立ち―古史辨自序―』(岩波文庫1987)に、次のような一節がある。 この時は、ちょうど国内に革新運動が勃発した時であって、学校を開け、纏足を止めよ、鉄道を敷け、米国のシナ労働者禁止条例に抗議せよ、政府に憲法を布…

佐多稲子のこと

葉山嘉樹ほか『教科書で読む名作 セメント樽の中の手紙ほか―プロレタリア文学』(ちくま文庫2017)という昨年12月から刊行され始めたシリーズのうちの一冊に、佐多稲子の処女作「キャラメル工場から」が収められている(pp.33-58)。 この作品は、青木文庫や…

葦の髄から…

第1部第二章で紹介される『五十音和解』という本が気になって、内村和至『異形の念仏行者―もうひとつの日本精神史』(青土社2016)を読みはじめたのだが、誤記が少なくないのは残念なことである。 たとえばp.327の注(17)に「井筒敏彦」とあったり、同じく…