白川静逝去

Gさん経由で、白川静博士の長逝を知り、ショック…
ふたことみことだけでも、研究の話が出来たのは幸せだったのかもしれない。それから、あのあたたかい両手で、握手をしてくださったことも。
白川先生のお名前を初めてみかけたのは、『字通』の予約販売広告だったから、十年ほどまえか。
九年まえに読んだ『漢字百話』に、文字どおり「シビレた」。それまで、漢字の本といえば、藤堂明保博士とか加納喜光博士とか村石利夫氏とか(それからハルペン・ジャックとか村松瑛博士とか)しか知らなかったものな。
いや、字源説の当否などは、実のところどうでもよかった。ただ、民俗学を援用した字源説が斬新におもえたのである。
『説文新義』は、学生ふぜいにはとても買えないから、尾崎雄二郎博士の『訓讀説文解字注』とともに、泣く泣く図書館で閲覧していた。今出ている平凡社版ではなくて、白鶴美術館版。
高橋和巳の『わが解体』から白川先生を描いた文章を引用しておこうかとおもったのだが、やはりすでに引用している人があったので、それでは清水良典氏(立命館大卒)の文章から引用しよう……と思ったのだが、見当らない。試験監督のとき一度も本から目を離さなかった…という話、あれはどこで読んだのだっけな。