CDも買いたいけれど。

青島幸男岸田今日子中島忠幸カンニング)の訃報を知る。仲谷昇岸田今日子は元夫婦である。同年に亡くなったわけである。なにか不思議な因縁を感じる。
岩波の青島幸男の新刊、買おうかな。どうしよう。
「晩鮭亭日常」で、この十二月にCDを百枚(!!)買った方の話を拝読し、羨ましくなった。
私は、特にここ四、五年は廉価盤ばかり買っている。安い直輸入盤だとか、値崩れしまくっている「名盤」だとかである。新譜は殆どのばあい、試聴するだけなのである。
メジャー・レーベルのアンチ・テーゼとして登場したNAXOSが、十年目を迎えた後だったかに、「トスカニーニ・コンサート・エディション」六点をドンと出したときはやや狼狽したのだけれども、「フィガロの結婚」序曲や「ハフナー」の入った「モーツァルト・コンサート」をちゃっかり購入した。これも1000円に満たない。
当時、「musée」*1のレヴューで、俵孝太郎*2が、六点の中でひとつだけ選ぶとすれば「モーツァルト・コンサート」かもしれない、という様なことを書いていて、たいへん悔しく思ったものだったが(商業戦略に巧く「ハメられた」という気がして)、しかしRCAの「トスカニーニ・エッセンシャル・コレクション」よりも敷居が高くはないような感じがして、それはそれなりに満足したのだった(リハーサル時の録音も入っていたわけだし)。
さて、いま出ているドイツ・グラモフォンの1000円(税込)シリーズには、以前出たスーパー・ベストに入っていたものだとか、1200円シリーズに入っていたものだとかも含まれているうえに、たとえばロッシーニの序曲集でも収録曲に小異があるくらいで、特に目新しい感じがしなかったのだが*3、ちらほらと欲しいのも見当る。例えばアンネ・ゾフィ・ムターのデビュー盤だとか。
一方、EMIの1300円(税込)シリーズは、大好きな大好きなブルックナー第七番も二種類入っていて(オイゲン・ヨッフムとあとは誰だったかな)、二枚(以上)買えば二割引*4、三枚買えば一枚進呈*5、というのだから、廉価盤好きにとっては朗報である。ここで冷静に計算してみると、グラモフォンだと、二枚買えば2000円である。ところが、EMIは二枚買うと、1238−1238×0.2≒991 991×2=1982 1982×1.05≒2081(円)だから、前者と81円しか違わない。では、三枚買うとどうなるか。グラモフォンは3000円、EMIは991×3=2973 2973×1.05≒3121(円)、しかも、切手代の350円を払えば一枚進呈なのである。3471円か。一枚あたり約868円という「お手ごろ価格」になるわけか。
ついこのあいだまでは、1000円のCDを三枚買うと、PHILIPSやDECCAのCDを一枚進呈します、という企画がやっていて、この誘惑にはとても勝てないね、なんて話をM君としていたのだけれども、今度はEMIである。
ところが、今日、晩鮭亭さんがカラヤン&ベルリン・フィルのエロイカ(グラモフォン)を購入されたのだそうで、リンク先で詳細を見てみると、「レオノーレ」(第三番)と「エグモント」が附いており、私の持っているカラヤンベルリン・フィルエロイカ」に附いている「コリオラン」&「エグモント」とは組み合わせが違う。慌ててさらに詳細をみてみると、嗚呼。いわゆる「黄金の70年代」に録音された版ではないか。し、しまった。不覚、不覚! 私はカラヤンの「エロイカ」を、八年ほど前、スーパー・ベスト版(1800円!)で購入したのである。しかもこれは、ややコンパクトな技巧に傾いた感のある1984年の録音だ。今度出たシリーズにも全く同じものが入っているとばかり思っていたのだ。確認を怠っていたことが悔やまれる。
いや、なぜ「悔やまれる」のかというと、クレンペラー&フィルハーモニアの『復活』、モーツァルトのレクイエムをこのあいだ買ってしまったからなのである。もちろんEMIの……。もう後へは退けぬ。
録音年はしっかり見ておかなくてはならない。

*1:たしかガーシュウィンの生誕百年に当る年に出たもので、その特集号だった。

*2:私にとっては、政治評論家としてよりも、「マジカル頭脳パワー!!」の出演者として馴染みが深い。

*3:これが大きな間違いなのだった。後述

*4:この企画はレコード店によるのだろうか。

*5:なんとプレゼント対象商品は五百枚に及ぶ!