「心はふたつ身はひとつ」で、前日までDKと迷ったが、結局こちらへ行くことにした。
二回目の参加。前回は、MさんやHMさん、HDさんなど、心強い味方もいらっしゃったのだが、今回はひとり。自分は畑違いの人間なんじゃなかろうか、とかなり心細くなった(一部を除いて杞憂に終ったので良かったのだが)。
プログラムは以下のとおり。
- 當山日出夫 開会挨拶 WS文字から文字研究会へ
- 安岡孝一 姿と恣と盗―新常用漢字表字体の源流―
- 小形克宏 漢字小委員会における審議の実際―字体をめぐる対立を題材にして―
- 高田智和 白書コーパスの字種(・字体)
- 川幡太一 漢字とオープンソース辞書・ソフトウェア
- 的場仁利 文字の現場の目
- 師茂樹 文字を"わたる"ことについての予備的考察
- 全体討論
一見するとトリヴィアルな問題をあつかっているかのような、デザイン差についての根本的な問題もおもしろく拝聴したし、「漢字小委員会」の秘話めいたものもあった。個人的にもっとも興味をそそられたのは、師先生の御発表。ちょうど今書いている拙文の、ひとつの方向性を示して頂いたようにおもう。中心を占めたのはKnuthの抽象文字とそれに対するホフスタッターの批判をめぐる話題なのだが、「相転移」という考え方は興味ふかい。
川幡先生のお話は、あなろぐ人間たる私は半分も理解できず。たまに「段注」とか「宋本廣韻」とか「支那文を讀む爲の漢字典」(『学生字典』を松枝茂夫が中心となって邦訳したもの)とか、いちおう知ってる単語も出て来たのだが、「Emacs上で実装」「IVSによる異体字表示可能」「SQL文」「ネストで入ってる」「XML変換言語」等、とりあえずメモはしておいたものの、何のこっちゃわからん。横断的な辞書検索がたいへん便利そうなことだけは、おぼろげながら理解できた。