第3回ワークショップ:文字―新常用漢字表を問うPart2

 「心はふたつ身はひとつ」で、前日までDKと迷ったが、結局こちらへ行くことにした。
 二回目の参加。前回は、MさんやHMさん、HDさんなど、心強い味方もいらっしゃったのだが、今回はひとり。自分は畑違いの人間なんじゃなかろうか、とかなり心細くなった(一部を除いて杞憂に終ったので良かったのだが)。
 プログラムは以下のとおり。

  • 當山日出夫 開会挨拶 WS文字から文字研究会へ
  • 安岡孝一 姿と恣と盗―新常用漢字表字体の源流―
  • 小形克宏 漢字小委員会における審議の実際―字体をめぐる対立を題材にして―
  • 高田智和 白書コーパスの字種(・字体)
  • 川幡太一 漢字とオープンソース辞書・ソフトウェア
  • 的場仁利 文字の現場の目
  • 師茂樹 文字を"わたる"ことについての予備的考察
  • 全体討論

 一見するとトリヴィアルな問題をあつかっているかのような、デザイン差についての根本的な問題もおもしろく拝聴したし、「漢字小委員会」の秘話めいたものもあった。個人的にもっとも興味をそそられたのは、師先生の御発表。ちょうど今書いている拙文の、ひとつの方向性を示して頂いたようにおもう。中心を占めたのはKnuthの抽象文字とそれに対するホフスタッターの批判をめぐる話題なのだが、「相転移」という考え方は興味ふかい。
 川幡先生のお話は、あなろぐ人間たる私は半分も理解できず。たまに「段注」とか「宋本廣韻」とか「支那文を讀む爲の漢字典」(『学生字典』を松枝茂夫が中心となって邦訳したもの)とか、いちおう知ってる単語も出て来たのだが、「Emacs上で実装」「IVSによる異体字表示可能」「SQL文」「ネストで入ってる」「XML変換言語」等、とりあえずメモはしておいたものの、何のこっちゃわからん。横断的な辞書検索がたいへん便利そうなことだけは、おぼろげながら理解できた。