2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「器量」の話―『徳政令』餘話

笠松宏至『徳政令―中世の法と慣習―』(岩波新書1983)の話をもう少し続ける。 同書が、中世語「甲乙人」についても説いていることはさきに触れた。笠松氏はこの語の原義が、身分的な意味を有しない、ニュートラルな「第三者の総称」(p.122)であったことを…

笠松宏至『徳政令』

早島大祐『徳政令―なぜ借金は返さなければならないのか』(講談社現代新書2018)の第一章に、次のようにある。 ここで、日本の歴史学において、債務破棄を意味する徳政令がどのように理解されてきたかをまず紹介しておこう。 最初にとりあげるのは、笠松宏至…