2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

由らしむべし知らしむべからず

萩原健一『日本映画[監督・俳優]論―黒澤明、神代辰巳、そして多くの名監督・名優たちの素顔』(ワニブックス【PLUS】新書)は、著者というかインタヴュイー自身もテレビで宣伝しており、裏話満載でおもしろく読めた。p.164に「ホーキンスなんかが言うんだ…

黒岩さんの訃

もう先月のことになるが、新宿古書展で、木下杢太郎訳『支那傳説集』(座右寶刊行會,1940)を買った。これは改訂版というべきもので、その約二十年前に元版が精華書院からでている。「世界少年文學名作集」というシリーズの一冊として(第十八巻)である。 …

得たりや応!

「得たり応」「得たりや応」という表記が定着した、というかよく見られるようになったのは、一体いつ頃からだろうか。この表記について指摘している人はどれくらいあるだろうか。 これは辞書の見出し語とは乖離がある表記で、国語辞書は軒並み「得たりおう」…

『字考正誤』という本

天保年間に出た鈴木牧之『北越雪譜』第二篇四之巻「蛾眉山下橋柱」に、「明人黄元立が字考正誤、清人顧炎武が亭林遺書中に在る金石文字記あるひは碑文摘奇…」(岩波文庫版を参照)というくだりがみえるが、その「黄元立が『字考正誤』」という記述は正確では…