2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

手短に

大学へ。今年はこれで最後。 学者の欲望。それはなにも、世界的な評価を受けたいとか、歴史に名前を刻みたいとか、自分の発見・発明によって利益を受けたいといったものとは限らない。それ以上に、自分が望んだような実験結果を得たい、自分の仮説を証明する…

色川武大の覆刻本

大学で論文を読み、かつ書く。 賀状を書く。この時期になるといつも、「年賀状なら誰しも貰ってうれしく、返すのは面倒だから、つい返さないのは人情で、深くとがめるには当らない。ただ、そのやりとりは愚かだと説教するのはよけいなお世話である」(山本夏…

めちゃくちゃなフィナーレ

ここ数年、イヴはフランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』(1946)を観ているのだけれど、今年はとても観られなかった。『素晴らしき哉、人生!』といえば、瀬戸川猛資氏の『夢想の研究』が想起される。 人生に絶望して自殺しかけたジェームズ・スチュ…

外に出る

臨時収入アリ。 ずっと座って論文を書いていると、気が滅入ってくるしダチ(らち=埒)アカンので、外へ出た。散髪した。本を一冊購った。宮沢章夫『「資本論」も読む』(WAVE出版)。『チェーホフの戦争』とで迷ったが、『資本論〜』に決めた。私も、『資本…

虚構の人・井上光晴

寒。夜から雪ふる。 どうやら、風邪をひいたらしい。 症状はそんなに大したことはないのだが、いや、だからこそ、今のうちに治しておきたいのだ。取り敢えず、薬を飲んでおいた。 この状態が明日までつづくならば、他人にうつしてしまいそうなので、大学へは…

ドレミハ男の血は騒ぐ

アルバイトがあるし、寒いしで、大学へは行かず。 フトしたきっかけから、貝塚茂樹訳注『論語』(中公文庫)を披いてみた。 この本は、例えば「學而篇第一」で、「時習之」の「時」を助字と解釈したり、「自遠方來」を「遠きより方(なら)び來る」と訓じた…

またも清張ブーム。

松本清張『けものみち』(新潮文庫)が、上下分冊版になって出ていた(活字も大きくなっている)。六十三・六十四冊めの新潮文庫である。 このところ「文春文庫」は、立て続けに短篇集や新装版『昭和史発掘』を出していたのだが、いよいよ、待ちに待った新潮…

かなしき講義ノート

昨日、NHK放送文化研究所編『NHK ことばのハンドブック第2版』(NHK出版)が届いた。「ア行」の項目のみ、初版(1999年第9刷←1992年第1刷)と較べてみた。 「足がある」、「あなたにとって○○とは?」、「余り米・余剰米」、「アメダス」、「荒れた天気・大…

たとえ石ころでも…

思わぬ収入あり。吉報あり。 午前九時過ぎに家を出る。なぜ、こんなに寒いのだろう。 朝飯も食わずに出てきたので、Bでひと休みすることにした。紅茶を飲みながら論文を読む。暖房があまり効いておらず寒かったので、附近の本屋に入る。 竹信悦夫『ワンコイ…

しょんがいな、しょんがいな

寒。大学へは行かず。朝から夕方まで論文書き。夜はアルバイト。 夕方、行き詰まってしまったので、山中貞雄『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』(1935,日活)を観た。 「七十年前」の作品とはとても思えない、最高の「現代時代劇」だった。 いかにもこれは「餘話…

左右右左

西山賢一『左右学への招待―世界は「左と右」であふれている』(光文社知恵の森文庫)をよむ。解説は、池内了「モノとコトの『新しい博物学』」。 「左右」の概念世界が、これほど豊饒なものであったとは。 台風や海流、言語脳と右利きの話、コリオリ力、陰陽…

映画人とテレビドラマ

升本喜年『テレビドラマ 伝説の時代』(扶桑社)。最近たいへん面白く読んだ本。感想を書くと長くなってしまうので、少しだけ。 とりわけ印象に残るのは、井上梅次や鶴田浩二、瀬口城一郎、田宮二郎あたりか。今をときめく作家の脚本家時代や、無名時代の大…

成瀬巳喜男のサイレント二本

衛星劇場が、成瀬巳喜男のサイレント映画を特集していたので録画した。そのうちの二本を観た。 『腰辨頑張れ』(1931,松竹蒲田)と『生(な)さぬ仲』(1932,松竹蒲田)。そのいずれにも交通事故(前者は鉄道事故、後者は自動車事故と「自転車」事故)が出…

演習と飲み会

寒。雨降る。気分も晴れぬ。 菊地敬一『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』(新風社文庫)を買う。本邦初訳の、ラリー・ケインによるビートルズ本(小学館文庫)も出ていた。これも欲しい。また、『日本沈没』が再文庫化。 演習。例外の部分だけで、話題が…

死の棘日記

雨が降っているし、忙しいしで、ワゴンセールには行かず。 出る用事もなくなったので、家で論文のつづきを書く。 日経の「半歩遅れの読書術」、今月は竹内洋氏(先月は斎藤美奈子氏だった)。就職のために上京した上級生(女子)との思い出話。加藤和俊『集…

研究会

午後から夕方まで研究会。 齋藤毅『明治のことば―文明開化と日本語』(講談社学術文庫)など読む。 また、今石元久編『音声研究入門』(和泉書院)を購う。ニ割引。 その後、懇親会。私がいま研究対象としている書物を、Y先生が校本のかたちで出したいと仰っ…

吼える密林

久しぶりで、工学部のN君と会う。高校生のとき、一緒に某委員をやっていて、その頃からの知り合いだ。いま修士一年で、いよいよ就職活動を始めたらしい。また会うことがあるだろうか。 今日もまた、いろいろとあって、残念ながら、立川談志の特番をほとんど…

今夜此処での一と殷盛り

大学へは行かず、十時間くらいパソコンに向かっていたが、たいして進まなかった。四百字詰原稿用紙に換算すると、十二枚に相当するのか、どうか。とにかくそれくらい。考えがまとまらず(まとまるほどの考えがなく)、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」。同…