今夜此処での一と殷盛り

大学へは行かず、十時間くらいパソコンに向かっていたが、たいして進まなかった。四百字詰原稿用紙に換算すると、十二枚に相当するのか、どうか。とにかくそれくらい。考えがまとまらず(まとまるほどの考えがなく)、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」。同じところを行ったり来たり。夜は劫々と更けまする。
長部日出雄『天才監督 木下惠介』(新潮社)など読む。今月は、バンツマの『破れ太鼓』(1949,松竹)がBS2で放映されるから、忘れずに録画しなくちゃあ。ちなみに明日の木下作品は『二十四の瞳』(1954,松竹大船)で、その後、談志の特番(「正式の証明」で紹介されている)をやるらしい。
メモ。紀田順一郎『読書三到』(松籟社)に、「辞書と索引の歴史」「『辞書の鬼』がつくった国語辞典第一号」など。山田風太郎『死言状』(角川文庫)に、「私の漢字假名意見」(p.35-41)。人名漢字制限(「悠子」昭和二十年代末)。父権のゆらぎ(恐妻)。ルビ(フリガナ)擁護。「カムチャツカ」「ウオツカ」の発音をめぐって。

それはともかく、漢字、ひらがな、カタカナも厄介だが、一国にして数種類の言葉や文字がある、などという国々にくらべれば、まだ倖せのほうかも知れない。(p.41)

木下惠介『大曾根家の朝(あした)』(1946,松竹)で、三浦光子演ずるヒロインが「大曾根悠子」。