2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

昔は良かった

晴れ。 Fで、ジョン・アシュトン 高橋宣勝訳『奇怪動物百科』(ハヤカワ文庫NF)を購う。 やや唐突ですが、今日の午前中の授業に「尚古主義」という言葉が出てきて、思い出した映画があります。それは、ルネ・クレール『夜ごとの美女』(1952)。大好きな…

眠い

午前中から驟雨。 安斎育郎『だます心 だまされる心』(岩波新書)読了。『科学と非科学の間』(ちくま文庫)や『霊はあるか』(講談社ブルーバックス)よりも話題が多岐にわたり、面白かったようにおもいます。 午後六時過ぎに帰宅。 TBSで『日本語チャンピ…

CMの「出典」

CM

毎度のことながら、ホットペッパーのCMが面白い。 「まだ伴奏」篇。おもわず吹き出してしまいました。これらの映像は、CM用として撮影されたオリジナル作品である、というふうなことをどこかで聞いたのですが、(大槻教授が出ているものを除けば)映画の…

小栗康平

「寡作の監督」小栗康平さんの『埋もれ木』が、現在公開中です。これにあわせて、小栗康平『映画を観る眼』(NHK出版)が刊行されたり、BS2がその監督作品を放映したりしています。DVD-BOX も出ました。昨日は、『泥の河』(1981)がかかっていました。途…

あふれる本の話

また晴れ。朝、『神風』(1986,仏)を観ました。 ディディエ・グルッセ初監督作品で、リュック・ベッソンが製作に携わっています。 七年か八年前に、サンテレヴィジョンでかかっていたことがあり、その時は途中から観ました。ミシェル・ガラブリュがマッド…

『中国語五十年』

晴れ。なかなか雨が降りません。 家で、演習準備および読書。 倉石武四郎『中国語五十年』(岩波新書,1973)読了。倉石氏は、漢文を(訓読ではなく)中国語で音読すべし、という考えを堅持した人で、『支那語教育の理論と実際』(岩波書店,1941)を著した頃…

二十年目の夏に

" title="御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年- " class="asin"> 米田憲司『御巣鷹の謎を追う―日航123便事故20年』(宝島社)読了。第一章から第三章にかけては、なぜ現場の特定が遅れたか、空自が早い段階で特定していた墜落地点(誤差の範囲内)や、川上…

甲子園

晴れ。 授業が終ったのは午後二時半で、四時半ころ大学を出る。 父がこの前、会社から「巨人対阪神」戦(於甲子園)のチケットを二枚もらってきたので、今日はその試合を見に行くのです。甲子園へ行くのは、これで五回目ですが、父とふたりで観戦するのは二…

人間五十今過半(人間五十 今半ばを過ぐ) 愧爲讀書誤一生(愧づらくは讀書の爲めに一生を誤るを) 夏目漱石「無題」詩四首(1895)より。

レア本がついに

關山守彌『日本の海の幽霊・妖怪』(中公文庫BIBLIO*1)が、ついに出ました。 これは關山氏の遺稿集で、1982年に私家版として出ています(学研が編集協力)。 關山氏が亡くなったのは1981年の暮れで、享年五十四。その死は、あまりにも突然だったようです。 …

ありました

曇り。 今日買ったのは、柴田武『ことばのふるさと見ぃつけた―日本語の忘れ物』(ベスト新書)。ベスト新書は、装釘を一新したらしく、とくに背の部分は、「講談社現代新書」かと見紛うほど。 そうそう、それでおもい出したことがあります。 いま再読してい…

古本たすき

かねたくさん(id:kanetaku)から、「古本たすき」をお受けしました。 私の古本歴はまだまだ短く(行動範囲もせまく)、「大収穫」も体験したことがないので大したことは書けないのですが、ご厚意に感謝してお答えします。 1.1か月に通う頻度は? 月曜日…

「福引」の本

晴れ。 かなりの時間を演習準備に費やしましたが、なかなか捗らない。 ひまひまに本を整理したり、読んだり。 整理していると出てきたのが、神鳥洞春亭編『新版 福引一千題*1』(東栄堂実用新書,1960)。昨年の夏に、京都の納涼古本まつりで入手した本。三…

本を九冊

晴れ。 行ってみたい研究会があったのですが、午後二時からの所用のため行けませんでした。 朝、Oに寄り、本をたくさん購いました。新書と文庫。 ・金田一春彦『日本語』*1(岩波新書)300円 ・倉石武四郎『中国語五十年』(岩波新書)380円 ・諏訪春雄『日…

Musical Baton

(id:vanjacketei)さんから、 Musical Baton というものが回ってきました。 「この人の答えを聞きたいと思った方々」のなかに加えて頂いて、たいへん嬉しくおもいます。けれどもそんなに沢山の音楽を聴いてきたわけではないので(これから出会うであろう「…

名著復活

ここの注(3)でちょっとだけ触れましたが、小池壮彦『心霊写真―不思議をめぐる事件史』(宝島社文庫)がついに刊行されました。これは、五年前に出た『心霊写真』(宝島社新書)の文庫版で、文庫化にあたって改訂・増補されています*1。 「心霊写真」にか…

私にいわせると、辛辣は暗黒と醜悪の力にたいする理性の武器、もっともかがやかしい武器です。辛辣は、あなた、批判の精神であり、批判は進歩と啓蒙の根源です。(ロドヴィゴ・セテムブリーニ) 自己の解放と発展は、時代の秘密でも命令でも決してありません…

日夏耿之介

昨日の晩鮭亭日常に、日夏耿之介(本名:樋口圀登)の話が出てきました。日夏の『荷風文学』という本が、平凡社ライブラリーから出るのだとか。これは楽しみです。 私が日夏耿之介の作品に親しんだのは、古本*1ではなくて「新本」で、とくに井村君江編『日夏…

谷川健一さん

i-miyaの日記にもありますが、日経(夕刊)の「人間発見」に、谷川健一さんのインタビューが掲載されています。「『小さき民』こそ わが師(1)」という記事。同郷ということもあって、私は谷川さんのファンです。以下、その著作から引用しておきます。 私…

『有りがたうさん』

晴れ。 今日は外に出ず。 朝、清水宏の『有りがたうさん』(1936,松竹大船)を観る。 助監督(監督補助)には、あの佐々木康さんの名もみえます。 セットではなくロケを重視した清水監督ならではの作品。この作品は、『按摩と女』(1938)や『簪』(1941)…

京都へ行く

朝から雨。暖。 「白川静先生文化勲章受章 祝賀会」に出席するため京都へ。 午前中に家を出る。Sで逭木逸平『旧字力、旧仮名力』(NHK生活人新書)を購う。 電車のなかで、第一章「旧字力」を読み終える。面白い。「しんにょう」に関する話(p.92)や「平成…

気になる新刊など

曇り。蒸し暑い。 関東は梅雨入りしたのだとか。関西は、明日から雨の日がつづくようです。 午後から演習を受講。午後六時半まで大学に居残る。 帰途Fに寄り、堀威夫『わが人生のホリプロ いつだって青春』(小学館文庫)を購う。この本、目次をみているだ…

グロテスクな教養

晴れ。 電車のなかで、高橋里惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書)読了。話題になった『文学部をめぐる病い』は読んだことがないけれど、これはわりと面白く読みました。 この本が異色なのは、(とくに冒頭部が概説的に)「教養」そのものについて書かれ…

水の上で歌う

某先生に『正韻字體辨微(和刻本)』などを頂く。「字畫ノ失ハ眞ニ沿寫ノ日ニ誤ルニ由ルナリ。俗書ノ傳譌ハ字義ノ辨ヘザルニ由ルナリ」*1ではじまる「序」が、どこか『顔氏家訓』書證篇をおもわせます。 - 七月の新刊文庫が更新されています。気になるものを…

過剰回帰

石割平ほか『はじめに喜劇ありき』(ワイズ出版)という本がひじょうに気になる。副題が、「清水宏、小津安二郎、山中貞雄、伊丹万作、そして斎藤寅次郎」。斎藤寅次郎が「別格」としてあつかわれている。同書刊行は、「アチャラカ、ドタバタ、ナンセンス! …

『京言葉』

Oの一冊二百円コーナーを覗くと、 ・楳垣實『京言葉』(高桐書院,1946) ・楳垣實『京言葉』(高桐書院,1949) があったので、二冊とも購う。まったく同じ本であるかのように見えますが、少し違う。 前者は初版本、後者は再版本。それだけではない。まず…

『雑誌記者』

昨日、「口を濁す」について書きましたが、岡島先生からトラックバックをして頂きました。ご教示有難く存じます*1。拙ブログ上にておん礼申しあげます。 円地文子の『食卓のない家』は、(『必読書150』に導かれるままに―柄谷行人さんによる記事―)昨年読ん…

口を濁す

今日は、気になったコトバをひとつ。「口を濁す」という慣用表現について書きます。 この表現は、誤用と見なされることが多く、たとえば、文化庁編『言葉に関する問答集【総集編】』(大蔵省印刷局,1995)*1はつぎのように書いています。 問いかけられたこ…

気になる新刊

きょうの「お供本」は、桑原武夫編訳『ISIKAWA TAKUBOKU ROMAZI NIKKI』(岩波文庫)。まだ、『変体少女文字の研究』は読み終えていないのですが。 昨年の学会で、この『ローマ字日記』にかんする発表を興味ふかく拝聴したので、気になっていたのです。 「週…

「ライバル」の20世紀

終日雨。寒。 朝から大学へ。 きょうの「お供本」は、山根一眞『変体少女文字の研究』(講談社文庫)。面白い。読み終えてから感想をかく余力があれば、少しかきます。そういえばこの本は、あの川本三郎さんが解説を書いています*1。 午前は講義に出席。ます…