2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「蓑田胸喜」の時代

竹内洋「帝大粛正運動の誕生・猛攻・蹉跌」 福間良明「英語学の日本主義―松田福松の戦前と戦後」 何れも、竹内洋・佐藤卓己編『日本主義的教養の時代―大学批判の古層』(柏書房)所収の論文。 竹内論文*1は、蓑田胸喜の小伝としても読める。「蓑田=文化犯罪…

楚囚之詩

きのうTで購った(八百円也)、『定本 庄司淺水著作集 書誌篇 第二巻』(出版ニュース社)を読んでいたら、北村透谷『楚囚之詩』のことが出て来た。 この稀覯書にまつわるエピソードは、本好きの間ではわりと有名であろう。 透谷の『楚囚之詩』(明治二十二…

竹内文書

向井透史『早稲田古本屋日録』(右文書院)を購入。 高山文彦『麻原彰晃の誕生』(文春新書)を読む。「第3章 オウム前夜」に、「竹内文書」「ヒヒイロカネ」のことが出て来る。 「竹内文書」といえば天津教だが、この天津教は戦後になって、超国家主義の温…

坐職の読むや

加藤郁乎『坐職の読むや』(みすず書房)が欲しいが、値の張ること! こういう本こそ、座右に備えて味読したいのに。以下、みすず書房のHPより「孫引き」(コピペ)。 さきごろ、北静盧の『梅園日記』を繰り直し、久しぶりに充実した気分を催した。家根屋の…

あの娘可愛やカンカン娘

島耕二『銀座カンカン娘』(1949,新東宝)を観た。id:kanetakuさんは三度ご覧になったそうだが、私は二度目の鑑賞である。 お秋(高峰秀子)、お春(笠置シヅ子)、白井哲夫(岸井明)らがうたう「銀座カンカン娘」のメロディが耳に心地よく、ついつい口遊…

UFOの時代

昨日、木原善彦『UFOとポストモダン』(平凡社新書)を読んだ*1。 木原氏は、「UFO神話」を年代別に三段階――すなわち「空飛ぶ円盤神話」「エイリアン神話」「ポストUFO神話」――に分けている。一時期話題になった、「スカイフィッシュ」や「ミレニアム・バグ…

最近買った本(2.10〜2.16)

今日は古本市へ行けたので、旧大系等を購った。 ・大石慎三郎『大江戸史話』(中公文庫)280円 ・山岸徳平校注『日本古典文學大系 源氏物語』(岩波書店)五冊揃2000円 ・『講座国語史2 音韻史・文字史』(大修館書店)1000円 ・島尾敏雄『死の棘日記』(新…

文庫占い

色々と勉強。 占いは信じないが、遊びでよくやる。ニ、三のブログで知った「文庫占い」をやってみる。「中公文庫」だった。

ピカレスク、ピカレスク!

鈴木清順『殺しの烙印』(1967,日活)再見。N氏が最近観た、といっていたので。もちろん、「墨塗り」ではない完全版である。 初期の「ルパン三世」を想起する人もあろう。ブニュエルの『アンダルシアの犬』を模倣したカット(また、レマルク原作、マイルス…

ことばの規範とは

安田敏朗『辞書の政治学―ことばの規範とはなにか』(平凡社)。 まあ面白かったが、第四章の論はやや飛躍しているような気もする。 「辞書は読んでこそ面白い」(あるいは批判的に読む)という言説(というほど大袈裟でもないが)は、(芥川龍之介の「猫」は…

池辺三山

黒岩比佐子氏の『日露戦争 勝利のあとの誤算』(文春新書)は、同書を取り上げた「本よみうり堂」(2005.10.30)に、「関心の中心は、漱石を朝日新聞に入社させたことで知られる池辺三山。」とあるように、池辺三山の評伝としても読める。私は特に、四迷、蘆…

ケルテスの真骨頂

久しぶりで、イシュトヴァン・ケルテスの『新世界から(より)』聴く。

辞書の網羅主義やら何やら

茶木則雄『帰りたくない! 神楽坂下書店員フーテン日記』(光文社知恵の森文庫)、三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫)を一割引で購う。 安田敏朗氏の『辞書の政治学』(平凡社)が面白い。「国家・文明・歴史」系列の辞書(『言海』等)と「国民・…

のみくゎい

レポート提出。 歓送会も兼ねた飲み会に誘われる。Uさん来る。

レポート、研究概要報告書。書けるかしらん。 Gさんが、ある方から、白川静の著作の翻訳(日本語→中国語)を頼まれたそうだ。一般向けで、かつ内容はなるべく高度なものがよいという。それで、翻訳するならどの本がよいかと相談を受けたのだった。『漢字百…

買った本

最近(2.1〜2.8)買った本。 ・『新小辞林 特装版(第二版)』(三省堂)210円 ・矢崎源九郎『日本の外来語』(岩波新書)380円…拾い読みする。 ・小松英雄『いろはうた―日本語史へのいざない』(中公新書)400円…読了。 ・五来重『高野聖』(角川新書)210…

孫悟空は…

TV

「トリビアの泉」をちょっと見る。 「ガセビアの沼」のコーナー、「孫悟空はキンシコウがモデルというのはガセ」*1というネタだったので、てっきり中野美代子先生(または高足・武田雅哉先生)が出演されるのかと思って見ていたら、二階堂善弘先生だった。成…

出口王仁三郎

昨年末、「くうざん本を見る」(12.25)で話題になっていた、「出口王仁三郎」の名の読み。「おにさぶろう」か「わにさぶろう」か、という問題。 「くうざん本を見る」にも書かれているとおり*1、これは実は「でぐちおにさぶろう」が正しい。また、ここによ…

朔太郎の詩

何日か前の「正式の証明」で、今日の「徹子の部屋」が「森繁久彌」特集だと知り、見る。 森繁が諳んじている「利根川のほとり」は、私も好きな詩だ。萩原朔太郎に心惹かれた時期があったことを思い出した。年齢のせいもあったろうが、あるひとから影響を受け…

あの傑作集が新版で

前田愛『近代読者の成立』(岩波現代文庫)所収「鷗外の中国小説趣味」「音読から黙読へ」「大正後期通俗小説の展開」再読。何れもレポート等で参照したことがあるものだが、『金瓶梅』受容史を書くために読んだ「鷗外の中国小説趣味」には、やや思い入れが…