2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ふたたび『酒字集古』

◆永嶺重敏『東大生はどんな本を読んできたか――本郷・駒場の読書生活130年』(平凡社新書)よむ。新書という制限のため、「詳細に言及できない部分が多かった」(p.274)のはやむを得ないことであろうが、それでも得るところの多い本だった。 たとえば、東京…

憑物おとし

◆ウラジーミル・ナボコフ 若島正訳『ロリータ』(新潮文庫)を、やっとよみはじめる。今になって読み始めたのは、若島正『ロリータ、ロリータ、ロリータ』(作品社)が刊行されたことの影響にもよるのだけれど(ナボコフがグレアム・グリーンに献本したサイ…

隠れて読む本

◆『大阪春秋』秋号の「角山榮博士が語る 立川文庫あれこれ」に、 私が旧制の大阪高校に在学していたとき、あの有名な桑原武夫先生がフランス語の授業中、脱線して立川文庫の面白さ、楽しさをいろいろ話すことがあったんです。(p.56) とあって、大正初期か…

三木左助?

◆『大阪春秋』秋号(新風書房,特集:「近代大阪の出版事情」)の本文中ではくわしく触れられることがないが、北久宝寺町の「三木左助」(p.19)は、屋号としても「三木佐助」が普通ではないのか。 小田光雄『書店の近代――本が輝いていた時代』(平凡社新書)…

幾度目かの坊っちやん

◆夏目漱石『直筆で読む「坊っちやん」』(集英社新書ヴィジュアル版)、『ななじゅうまる 関西版』(フィード)を本屋で購った。『坊っちやん』直筆原稿の複製版は、かつて番町書房が出していたけれど、古書で買っても(というか、古書で買うとなおさら)値…

世の中には秘密が多すぎる

◆テレビ欄を眺めていると、「マル秘」が、やたら目につくときがある。今日もそうだった。大阪版の『朝日新聞』で実際に数えてみると……「毎日テレビ」(TBS系)に3つ、「ABCテレビ」(テレビ朝日系)に1つ、「関西テレビ」(フジテレビ系)に2つ、「読売テレ…

漢字漫歩

◆東京行きのオマケ+x。左から……「勝海舟生誕之地」碑(昭和四十三年建立)の「誕」字、都内某所で見かけた看板――「以」字および「駐」字(旁が「ナベブタ+土」)に注目――、千葉県某駅で見かけた看板――「駅」字の馬偏に注目――、成瀬巳喜男『浦島太郎の後裔…

「民」はどこから

◆いささか旧聞に属する事柄ではあろうが、『日本経済新聞』(2007.9.8付)に、「ケータイは辞書代わり――20代の8割 漢字変換で」という記事が載った。「国語に関する世論調査」についての記事である。 記事によると、20代の若者がある漢字を知ろうとするとき…

四天王寺→天神さん

今日は古本市日和。四天王寺と天神さん。 先にどちらを巡ろうか、と迷ったが、まだ行ってない四天王寺から巡ることにした。 ほぼ開場と同時に入る。古本ソムリエ氏の言葉を信じ、激戦区たる百均は後まわしにして、各書店の均一棚をまず見て廻る。書店名は失…

天神さん

昨日は、午後からちょうど用事もあったので、午前中「天神さん」に寄って来た。 そう長くいられなかったし、また日曜にも行く積もりなので(Kの店番が知り合いの人だから)、「百均コーナー」を軽く流して十冊、それから一冊だけ。百均コーナーは、すでにあ…