2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

オツベルと象

こちらを拝読しておもい出したのが、宮澤賢治「オツベルと象」。問題となるのは、この題名の「読み方」である。『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)所収の「注解」(天沢退二郎による)には、次のようにある。 自筆原稿は存在せず、初出誌(『月曜』―引用者)…

野口英世神話

◆いわゆる「野口英世神話」には、海野弘『二十世紀』(文藝春秋)*1 pp.98-103 が言及していて、中山茂『野口英世』(朝日新聞社)からの引用もある。ついでに言うと、「ロックフェラー財団が日本人野口をエクアドルに送ったのも、白人によるラテンアメリカ…

ルネ・クレール&サティの前衛映画

◆二十世紀初頭、セルゲイ・ディアギレフのバレエ・リュス(ロシアバレエ団)がパリの民衆を熱狂させたこと(特に1909年、またオペラ座で上演された翌10年)、そのバレエ・リュスに、マルセル・プルーストやココ・シャネル、ジャン・コクトーらが感化されたこ…

讀書百遍、意自ら見る

◆こないだ某所にて100円で拾った、安岡章太郎編『現代作家と文章』(三省堂新書,1969)をパラパラとやっていて、気になったのが、「読書百遍、意自ら通ず」という表現(p.144)である。これは、谷崎潤一郎の『文章読本』における表現を承けてのものなのだが…

OMMでの収穫など

◆横尾忠則の新刊、『悩みも迷いも若者の特技だと思えば気にすることないですよ。皆そうして大人になっていくわけだから。ぼくなんかも悩みと迷いの天才だったですよ。悩みも迷いもないところには進歩もないと思って好きな仕事なら何でもいい。見つけてやって…