辞書の網羅主義やら何やら

茶木則雄『帰りたくない! 神楽坂下書店員フーテン日記』(光文社知恵の森文庫)、三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫)を一割引で購う。
安田敏朗氏の『辞書の政治学』(平凡社)が面白い。「国家・文明・歴史」系列の辞書(『言海』等)と「国民・文化・実用」系列の辞書(『節用集』等)が相互補完的に機能したということについて。中国に於ける「網羅主義」は、例えば元朝の世界観を示すもの(類書の出版等)でもあろうけれども、この場合、ダランベールいうところの「直接的知識」は、「反省的知識」に奉仕しうるものでありや否や。