『雑誌記者』

 昨日、「口を濁す」について書きましたが、岡島先生からトラックバックをして頂きました。ご教示有難く存じます*1。拙ブログ上にておん礼申しあげます。
 円地文子の『食卓のない家』は、(『必読書150』に導かれるままに―柄谷行人さんによる記事―)昨年読んだはずなのですが、「口を濁す」は見つけられませんでした。
 そういえば、『けものみち』には、「言葉を濁す」もあったのでした。ついでに引きます。

「いや、ちょっと」久恒は言葉を濁して、「ねえ、君。これはぼく個人の必要でやっているから、結果がわかったら、ぼくにだけそっと教えてくれ。ほかの者に言ってもわからないことだからね」
と低い声で頼み込んだ。(新潮文庫改版,p.190)

 話はかわるのですが、今日から読み始めた池島信平『雑誌記者』(中公文庫,1977)
 これがめっぽう面白い。
 読み始めるきっかけとなった出来事は色々あります。退屈男さんが『雑誌記者 池島信平』(文春文庫)を購入されたこととか、同日、かねたくさんがその本のご感想を書かれたこととか、坪内祐三さんの『古本的』に池島信平が登場したこと*2とか。
 まずはこの代表作を読んでから、『雑誌記者 池島信平』を探してみようとおもいます。

*1:また岡島先生は、「言葉を濁す」の古例も紹介して下さいました。

*2:「古き良きジャーナリズムの匂い―『あまカラ』―」(p.44-47)。扇谷正造の『わが青春の日々』も積読状態。いずれ読まなければ。