文庫本を四冊

先輩や同輩と甲子園へ行く予定だったのですが、急なアルバイトのため行けなくなりました。
アルバイト先からの帰途、古市に寄って、
青木雨彦/文 山藤章二/絵『にんげん百一科事典』(講談社文庫)200円
・W,C,フラナガン 小林信彦*1『素晴らしい日本野球』(新潮文庫)100円
小林信彦『オヨヨ島の冒険』(角川文庫)100円
・塩澤実信『雑誌記者 池島信平』(文春文庫)200円
を購う。小林信彦さんの文庫が、(珍しいものは無かったのだけれど)たくさん置いてあった。『極東セレナーデ(上・下)』(新潮文庫)三刷もあり、上下巻とも表紙カバーが裕木奈江。このヴァージョンのものは見たことがなかった。裕木奈江は、1992年のTVドラマ『ウーマンドリーム』(原作『極東セレナーデ』)の主役。原作とドラマはずい分ことなっているらしい。
たしか、未だに理由のよく分らない「裕木奈江バッシング」が始まったのは、このドラマが放送された頃ではなかったか(私は見ていませんが)。あのナンシー関も、平成五(1993)年九月の『週刊朝日』に「魔性の女のポストモダン裕木奈江的なものにあると思えてならない」と書き、裕木の表情に「意識的な無意識」を見ていました。この文章はいま、『ナンシー関大全』(文藝春秋,2003.p.38-39)に収めてあります。
さて、今日買った『にんげん百一科事典』。この本は、昭和五十二(1977)年七月四日から十月二十九日まで『夕刊フジ』に「三尺さがって六尺しめて」のタイトルで連載されたコラムをまとめたものだそうで、「山口百恵」から「山藤章二」に至るまで、101人についての短い文章と似顔絵から成っています。
山藤章二による似顔絵には、それぞれアクロスティックが附されていて、たとえば「大岡昇平」は次のとおり。

おおかたの推理小説とはチト違う
おかしくもない裁判を
しょう説に仕立てて協会賞
へい、ありがとさん! とは粋なヒト

高峰秀子」はこんな具合。

たかが女優のくりごとだけど
みねェな近頃の映画界
ひでェもんだよ商業主義で
ろしかエロかジャリタレもの!

うまい! と思ったのが「大島渚」。

×××の
×××××を
×××と
×××××して
×××したら
×××と
×××××…‥!

肝腎の本文にはふれませんでしたが、それはまたの機会に。

*1:フラナガン小林信彦は、イザヤ・ベンダサン山本七平、あるいはスティーヴン・ヤング&薄井ゆうじと同じ関係。