日記から(5)

今日も早く起きる。
森銑三『明治人物閑話』を読む。「森鷗外の『百物語』」がたいへん面白い。石光真清評も収めてあることに気づく。同郷の人。これも、何かの縁なのだろうか。
昨日ほどではないが、まだ喉が痛いので、トローチをなめる。
生活ほっとモーニング」の「わが幸せなる妖怪人生―漫画家・水木しげる」を見る。コメンテーターはアシスタントもつとめたことがある呉智英氏。水木しげる氏は、少し前も、「グレートマザー物語」に出演されていた。
仕事へ行く叔母に、上通まで連れていってもらう。昨日、「とりあえず見るだけ」にしておいた本が気になったからである。
上通を歩くが、嫌な予感におそわれる。天野屋書店は閉まっている。「火曜定休」とある。そしてやはり、予感は的中。舒文堂河島書店も閉まっている。これはうっかりしていた。なぜか、水曜定休と思い込んでいたのであった。
せっかくなので下通まで歩き、紀伊國屋書店熊本店へ。
・『ユリイカ 9月号(特集:水木しげる)』(青土社
を買う。文庫棚の一角に、昨年は無かったはずの「ふるほん文庫やさんコーナー」が出来ている。旺文社文庫多し、中公いくつか。ハヤカワはやはり、梶尾真治(カジシン)ばかり。新潮は、山口瞳の男性自身が六冊ほど。だいたいの商品が1280円で、あとは1050円、700円、680円、500円、480円など。小林信彦『世界の喜劇人』(新潮文庫)、谷沢永一『紙つぶて(全)』(文春文庫)、旺文社文庫内田百輭作品はぜんぶ1280円。島尾敏雄『日の移ろい(正・続)』はセット価格でも2560円。『枕草子』(旺文社文庫)などの古典は少しだけ安くて1050円。昨日買った『明治人物閑話』と『歌舞伎十八番』もあったが、やはり1280円。「男性自身」シリーズの全部、都筑道夫『なめくじに聞いてみろ』(講談社文庫)、横溝正史『真説金田一耕助』(角川文庫)は680円。その中から、
横田順彌『人外魔境(ロストワールド)の秘密』(新潮文庫)480円
の一冊だけ買う。たぶん、これが一番安かった。
昼までにはまだ時間があるので、上通方向へ戻り、坪井の満遊書店へ。
中野翠『映画の友人』(ちくま文庫)252円
常盤新平『酒場の時代―1920年代のアメリカ風俗』(文春文庫)100円
吉田精一『文学入門』(旺文社文庫)50円
都筑道夫『紙の罠』(角川文庫)50円
武田英克満州脱出』(中公新書)53円
を購う。『文学入門』は、「ふるほん文庫やさんコーナー」では1280円で売られていた。『紙の罠』は、ついこの間に観た『危いことなら銭になる』の原作である。さっそく入手出来たことを喜ぶ。
「幹之蔵」で祖母や叔母と午食。廉価の定食だが、これが旨い。
午後、『日本のアクション映画』を読む。めっぽう面白い。小林旭評などは感動的ですらある。さすがに、小林信彦さんが『コラムは誘う』(新潮文庫)で絶賛していただけのことはある。
また、たなか亜希夫『Glaucos』の第三・第四巻(最終巻)を読む。
夜、従弟と明林堂書店へ行く。
浅草キッド『お笑い 男の星座―芸能私闘編』(文春文庫)
を購う。坪内祐三さんの解説が「購書欲」をかき立てたわけだが、なるほどこれは面白い。ついこの間文庫オチした「私情最強編」も読みたくなって来た。