帰熊

11.2(木)
晴。午まえ、熊本に着く。関西よりもずっと暑い。
熊日が、白川先生の逝去に対する谷川健一石牟礼道子両氏のコメントを掲載している。お二方とも熊本出身で、確か『回思九十年』では白川先生と対談をされているはず。
Aにて午食。Y〜S〜Rと廻り、用事を済ませる。上通のOに憩う。長崎書店が新装開店したことを知る。
舒文堂河島書店で、岡本夏木『子どもとことば』(岩波新書)、辻嘉一『味覚三昧』(中公文庫)、植村清二楠木正成』(中公文庫)、池田亀鑑『源氏物語入門』(現代教養文庫)、井上ひさしほか『歌麿の世界』(講談社文庫)ほか各100円。『彷書月刊』最新号を600円で。第一回古本文学大賞を受賞した、恩田雅和氏の「漱石の『社会と自分』」と「選考会実録」(出久根達郎坪内祐三河内紀)を楽しく読む。
天野屋で、杉山茂丸『児玉大将伝』(中公文庫)300円。

11.3(金)
晴。散髪。父と市街へ。昔は通町筋から子飼橋のあたりまで路面電車が通っていたという話をきく。
Kにて午食。舒文堂で、色川武大『虫喰仙次』(福武文庫)、澁澤龍彦『マルジナリア』(福武文庫)、森有正『遥かなノートルダム』(角川文庫)、村上春樹ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』(中公文庫)、奈良本辰也『男たちの明治維新』(文春文庫)。各100円。舒文堂、どんどん百均文庫を補充してゆくなあ。
天野屋で、開高健谷沢永一向井敏『書斎のポ・ト・フ』(潮文庫)160円、『月刊 言語』(1978.1)、池田弥三郎『手紙のたのしみ』(文春文庫)各100円。
上通を抜けたところにある満遊書店では、「105円文庫を5冊買うと315円」というセール期間中だったので、亀井俊介『サーカスが来た!』(文春文庫)、伊丹十三『自分たちよ!』(文春文庫)、矢野誠一『酒と博奕と喝采の日日』(文春文庫)、川本三郎『フィールド・オブ・イノセンス』(河出文庫)、亀和田武『時間街への招待状』(新潮文庫)をえらぶ。
夜は大津にて会合あり。久々に親戚一同が揃った。T、K、Y、H。
某宅にて、アルコール入りのK君と話す。ヴェイユとかバタイユとかを読んでるらしい。

11.4(土)
晴。朝、墓参。熊日で知ったのだが、昨日、出久根達郎氏の講演会(五高記念館主催)が行われたという。おなじ記事で、「五高時代の漱石先生」なる記念展が五高記念館で開催されていることを知る。
「記念」展というのは、漱石が「草枕」「二百十日」を発表して今年が百年めに当るからなので、出水の近代文学館や大江の市立図書館などでもそれに因んだ行事が開催されていた(いる)みたいだ。
叔母に熊大まで連れていってもらい、五高記念館にはいる。二年ぶり二度目。学園祭(熊粋会)も少し見て廻る。午後、市街地へ出てAに憩う。
舒文堂で、青木正美『古本屋四十年』(福武文庫)、丸谷才一『遊び時間』『遊び時間2』(中公文庫)、西山松之助『家元ものがたり』(中公文庫)、池島信平編『歴史よもやま話 日本篇(上)(下)』(文春文庫)、野間宏『文章入門』(旺文社文庫)。各100円。何れも昨日は無かったはず。ここの百均文庫棚、一日ごとに見ても飽きないな。また、惣郷正明『日本語開化物語』(朝日選書)450円を購う。そうか、「酒」字の異体の話はこの本で読んだのか。思い出した。