神戸に行く

所用あって神戸へ。
ついでに古書店めぐり。まずはサンパル二階の清泉堂倉地書店。深代惇郎深代惇郎エッセイ集』(朝日文庫)105円を買う。隣のロードス書房で、『月刊 言語』創刊100号記念増大号(1980.6)、『月刊 言語』(1974.7)、五光照雄『言葉からみた日本人』(自由現代社)を買う。すべて105円。
また、三階の超書店MANYOで、伊達一行『沙耶のいる透視図』(集英社文庫)、豊田武『苗字の歴史』(中公新書)、入谷敏男『話しことば』(中公新書)、入江相政『行きゆきて』(中公文庫)、文藝春秋編『達磨の縄跳び』(文春文庫)を買う。『話しことば』のみ50円、他は全て105円。
時間が余ったので、三宮センター街へ行き、後藤書店店頭の均一コーナーから『漢語史研究集刊 第一輯(上)(下)』(巴蜀書社)、王力『詩經韻讀』(上海古籍出版社)を拾う。三冊で千円。中華書局の二十五史が何セットか転がっていた。特に『舊唐書』『新唐書』あたりは欲しいけれども、それなりに高くて手が出ない。
会計を済ませると、ドヴォルザーク新世界より』の第二楽章ラルゴ、いわゆる「家路」が店内に流れ始める。どうやら閉店の時刻らしい。危なかった。
今日の「お供本」は、生島治郎日本ペンクラブ編『男の小道具 飛び道具』(集英社文庫)。これはテーマ別編集のアンソロジー。電車のなかで、あらかた読み終えてしまう。特に面白かったのは、赤川次郎「一杯のコーヒーから」、田中小実昌「耳穴カミソリ」、都筑道夫「頭の戦争」、結城昌治「汚れた月」、渡辺淳一「名刺」。赤川次郎の作品を読んだのは、たぶん九年ぶりくらい。中学生のころは読み漁っていたものだが。
「耳穴カミソリ」。ショーンと「ぼく」の小気味よい会話が印象に残る。それにしても、「キック・ア・バケット」なんてスラング、ひさびさに聞いた。
「汚れた月」は、どの部分が「男の小道具」というテーマに沿っているのか分らなかったが、面白かったのでよしとしよう。あまり関係のないところで、突然、「位牌」が登場する。『終着駅』でも、この「位牌」が死を引き寄せる小道具として使われている。なにか思い入れがあるのかしら。