日記から(4)

起床後、体温を計ると36.3度。しかし、体調はすこぶる良い。栄養ドリンクで滋養補給。
昼過ぎ、叔母が上通の手前まで連れて行ってくれる。父母と私の三人で、広町の「山本屋」に入る。曽祖父行きつけの店だったとか。重ねそばを注文。大阪とは違い、店員や客がノンビリしている。それがなんだか微笑ましい。
二時間後に、父母と鶴屋前で落ち合うことにして、私は満遊書店(坪井店)へ。不意に「青木まりこ現象」に襲われ、全ての棚を見ないうちに店を出る。
上通に入り、天野屋書店で、
・西脇英夫『日本のアクション映画―裕次郎から雷蔵まで―』(教養文庫)400円
阿久悠『時にはざんげの値打ちもある』(角川文庫)170円
を購う。
また均一棚(百円、二百円、三百円棚)から、
小林信彦ちはやふる奥の細道』(新潮社)200円
佐藤弘人『上り下り東海道』(新潮社)100円
・矢野仁一『東洋史大綱』(目黒書店)100円
を拾う。佐藤弘人は、ベストセラー『はだか随筆』の著者。『ちはやふる〜』は新潮文庫で持っていたはずなのだが、所在不明なので購入。
また、斜め向かいにある舒文堂河島書店の外の百均棚で、
戸板康二歌舞伎十八番』(中公文庫)
福田恆存宇野精一、土屋道雄編『崩れゆく日本語』(英潮社ブックス)
都筑道夫『狼は月に吠えるか』(文春文庫)
・茅野秀三『日本語探検 言葉とコトバ』(PHP文庫)
の四冊を拾って中に入る。まずは文庫棚から、
森銑三『明治人物閑話』(中公文庫)350円
を抜き、国語・言語学棚から、
・市川本太郎『漢字学概論』(明治書院)800円
を抜く。森銑三の『明治人物閑話』は、向井敏『傑作の条件』に収められた「明治の熱気」を読んだこともあって、気にはなっていたのだ。向井氏は、こう書いている。「元来、この人の人物論はつねに熱気にみちている。戦前の佐藤信淵論、戦後の西鶴論がその典型だが、過去の人物についての通説のいかがわしさに対する、ほとんど義憤とも呼びたい強い感情がバネになっていたせいであろう。そうした事情は、この本の諸篇のような短い随筆の場合でも例外ではない」(p.168-69)。引用文中の「この本」とは、『明治人物閑話』のことである。
思想・歴史棚には、買うか買うまいかでさんざん迷った本(3000円)があったが、とりあえず見るだけ。
何気なく外の特価本に目をやると、中華書局の標点本、それも、
司馬遷撰『史記』(中華書局,十冊揃)2000円
があったので、迷わず購入。状態も非常に良い。
夕方に帰る。『崩れゆく日本語』を読む。
夜、猛烈な喉の痛みに苦しむ。扁桃腺が腫れているのだろうか。薬を服用、嗽をして寝床に就くが、痛みは引かず、何度も目が覚める。