東京から帰って来ました

有意義な四日間だった。
先生方の謦咳に接することができたし、MさんやIさんに直接お会いする機会を得たのも本当に良かった。TさんとかSさんとか、話したことのあまり無かった後輩(先輩)と色々話せたのも嬉しかった。
5.11(木)
曇り。散々迷っておきながら、持って行った本は『街の古本屋入門』のみ。途中で新刊書店に寄り、仲正昌樹『「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言』(ちくま新書)を購った。車中で通読。面白い。ペンフィールド(だったと思う)の実験から生れた「水槽の脳」に反応する。イヌイットの「雪」の呼び方に関する「俗流文化論」がチラと出て来るが、それを批判した文章をたしか最近読んだ。何だったっけ。
夕飯を某駅前で済ませたものの、チェックインの時間までまだ三十分以上ある。近くに新刊書店があったので、暇潰しのため入る。保阪正康松本清張と昭和史』(平凡社新書)、杉本つとむ『江戸の博物学者たち』(講談社学術文庫)を買う。
5.12(金)
晴れ。むにゃむにゃむにゃ。
欲しい本が一万ごしぇん円とか、一万ろくしぇん円とかで出ているので、とても買えぬ。そこで、三番目に欲しい本を購う。依田学海 学海余滴研究会編『学海余滴』(笠間書院)。二割引で約四千八百円。
夜は懇親会。某先生に誘われて、二次会へ。
5.13(土)
雨。午後まで学会。先輩や後輩たちと夕食。
K君と吉祥寺駅南口のブックオフに行く。池内紀『地球の上に朝が来る―懐かしの演芸館』(ちくま文庫)400円、ポー 刈田元司訳『黒猫・黄金虫 他四編』(旺文社文庫)、河盛好蔵『人とつき合う法』(新潮文庫)、庄司浅水『世界の奇談―秘められた真実―』(現代教養文庫)、色川武大『うらおもて人生録』(新潮文庫)、『昭和天皇独白録/寺崎英成御用掛日記』(文藝春秋)、高坂正堯『宰相吉田茂』(中公叢書)各100円。
神保町にも寄ってきたというK君を羨む。収穫物を見せてもらう。
5.14(日)
曇り。後輩たちと午食。午後まで学会。
小松英雄『日本語書記史原論[補訂版] 新装版』(笠間書院)を購う。二割引で約二千三百円。六年前に出た版は七千円ほどしたのだが、どういうわけか、大幅に値下げした「普及版」が出ていたので買った。
夜帰る。マア東京というところへ行くと、いつもそうなのだが、「見るもの目の毒 聞くもの耳の毒」で、まさに「ズッコケちゃん」状態になってしまうのだ。魔都だ。久生十蘭だ。