『北の人』のこと

晴れ。
気持ちがよいくらい晴れているので、朝早くから出掛けることにする。授業や説明会は午後からだから、ちょっと足を伸ばす。桜はまだ満開でない。
Eで、池上嘉彦記号論への招待』(岩波新書)100円を買う。Tで、金田一京助『鈔本 北の人』(青磁社)480円、永山勇『仮名づかい』(笠間選書)200円、山下洋輔『ピアニストを笑え!』(新潮文庫)、山下洋輔『ピアニストに御用心!』(新潮文庫)、山下洋輔『ピアノ弾きよじれ旅』(徳間文庫)以上三冊で150円、時子山常三郎『早稲田生活半世紀』(早稲田大学出版部)300円、『月刊 言語』(1986年1月号)、『月刊 言語』(1988年4月号)各80円を買う。
『鈔本 北の人』というのは、昭和二十一年に出たもので(青磁社が罹災したことで刊行も遅れ、たいへんな苦労があったらしい)、装釘は簡素だがなかなか洒落ている。しかも文庫判だから、掌にすっぽりと収まる。鈔本(ここでは抄録本の意)でない『北の人』は、昭和十六年に梓書房から出ていて、ずっと後には、角川文庫に入ったらしい。
長山靖生偽史冒険世界―カルト本の百年』(ちくま文庫)に「主要参考文献」として挙がっているのは、鈔本でない梓書房版『北の人』。長山氏は、小谷部全一郎やその著書『成吉思汗ハ源義経也』に関することで『北の人』を参照されたようだが、鈔本も、小谷部全一郎についての文章を省かずに収めている。
大学にて、某先生から『訓点語と訓点資料』の記念特輯号をいただく。
帰途、加賀野井秀一『日本語を叱る!』(ちくま新書)を購う。