私にいわせると、辛辣は暗黒と醜悪の力にたいする理性の武器、もっともかがやかしい武器です。辛辣は、あなた、批判の精神であり、批判は進歩と啓蒙の根源です。(ロドヴィゴ・セテムブリーニ)

自己の解放と発展は、時代の秘密でも命令でも決してありません。時代が必要とし、要求し、実現させるにちがいないもの、それは―恐怖、テロルです。(レオ・ナフタ)

トーマス・マン 関泰祐・望月市恵訳『魔の山』(1924)より。