「ライバル」の20世紀

終日雨。寒。
朝から大学へ。
きょうの「お供本」は、山根一眞『変体少女文字の研究』(講談社文庫)。面白い。読み終えてから感想をかく余力があれば、少しかきます。そういえばこの本は、あの川本三郎さんが解説を書いています*1
午前は講義に出席。ますます面白くなってきました。
夕方まで居残るつもりでしたが、アルバイトの関係で早く帰ることに。Fで村松友視『ライバルを探せ! 対立構造のすすめ』(NHK生活人新書)を購って帰宅。この本は、各章で各界のライバルを一組ずつ「列伝」ふうに取上げていくというスタイルのもの。たとえば王と長嶋、中上健次村上龍ジャイアント馬場アントニオ猪木(いかにも著者らしい)、勝新太郎市川雷蔵などなど*2…。
著者独自の見解によって選ばれた組み合わせも多くて、たとえばモハメド・アリジョー・フレイジャーがそうでありましょう。村松さんは、こう書いています。

モハメド・アリのライバルを誰にするかはむずかしい。ジョージ・フォアマンケン・ノートン、ラリー・ホームズらの名が頭に浮かぶが、私はジョー・フレイジャーをアリのライバルと考えた。(p.122)

たとえば、『週刊日録20世紀 スペシャル20』(講談社*3は、アリのライバルとしてフォアマンを登場させています*4。これが一般的な見解なのではないかとおもいます。
午後から夜まで、ずっとアルバイト。疲れたので、そろそろ寝ます。

*1:川本さんはノッケからすごいことを言っています。

*2:「あとがきにかえて」では、ヤスケンも登場。ちょっとしたライバル名鑑にもなっています。余談ですが、四十九ページでは一九六三年から一九六五年に亡くなった人々を、五十ページ〜五十一ページでは一九七〇年から一九八八年に亡くなった著名人(小説家が中心)を列挙しているのですが、これがまた壮観です。この単なる「列挙」が、批評になり得るところがすごい。

*3:シリーズ最終巻。「20世紀『ライバル』物語」。

*4:余談ですが、この『週刊日録20世紀』に登場するライバルたちもおもしろい。たとえば、吉田茂鳩山一郎スターリントロツキー辰巳柳太郎島田正吾五島慶太堤康次郎前畑秀子とゲネンゲル、関野貞喜田貞吉カミュサルトル、東條操と柳田國男ガントレット恒子と伊藤整寺山修司唐十郎、ピアリーとクック―などなど。