甲子園

晴れ。
授業が終ったのは午後二時半で、四時半ころ大学を出る。
父がこの前、会社から「巨人対阪神」戦(於甲子園)のチケットを二枚もらってきたので、今日はその試合を見に行くのです。甲子園へ行くのは、これで五回目ですが、父とふたりで観戦するのは二回目。
甲子園へ向かう途中、ティントナーのCD(輸入版)が七百九十円で売られていたので買う。これについては、あとで書きます。それから、堂島のジュンク堂書店に立寄る。高崎一郎『平成疑問假名遣 平成十七年度版』(紀伊國屋書店)を購う積り……だったのですが、これが見当らない。中国文学棚、日本語教育棚、国語学棚等をひと通り見終えてからうろうろしていると、不意に呼び止められました。振り返るとQさんでした。こんなところで会えるとは。すこしお話ししてから別れる。
甲子園にたどり着いたときには、六時半をまわっており、父はすでに到着していました。試合は二回オモテに入ったところで、三対〇で巨人が負けていました。阪神ファンの応援が相変わらずすごい。巨人は今日もダメかな*1、とおもっていたら、四回オモテに、清原・阿部・二岡がタイムリーヒットを打って追いつきました。
しかしその後、試合は膠着状態になり、これは延長戦になるだろうと踏んで、八回オモテが終了したところで帰りました。点差が開いていたら、車内が混雑するところですが、途中まで坐って帰ることができました。帰りの電車のなかでは、古川薫『花も嵐も―女優・田中絹代の生涯』(文春文庫)を読んでいました。
あとで試合結果をみると、巨人は延長十一回でサヨナラ負けを喫したのだとか。八回オモテの終了時点で帰っていて良かった、とおもったのでした。
さて、いまは買ってきたばかりのゲオルグ・ティントナー&シンフォニー・ノヴァ・スコシアのCDを聴いています。レーベルは、廉価かつ高品質のNAXOS。メモリアル・エディションの第4集とかで、曲目は、ハイドン交響曲第103番 変ホ長調「太鼓連打」/同第104番 ニ長調「ロンドン」』。「太鼓連打」の第四楽章は、和田勉がメガフォンをとった『完全なる飼育』(1999)*2で、「きわめて下品に」扱われており、それだけにかえって印象に残った曲です。ティントナーのハイドンは、まさに「正攻法」で、どんどんオケで押してきます。鳴らし切ります。たとえば「太鼓連打」では、アレグロ・コン・スピリト(第一・四楽章)や、メヌエット(第三楽章)の部分で、その実力が遺憾なく発揮されています。
いつか、「邦画とクラシック」について述べてみたいと考えているのですが―たとえば「紡ぎ歌」と成瀬巳喜男『朝の並木路』(1936)の上京シーンとか、「ベニスの舟歌Op.19-6」と望月六郎『鬼火』(1996)のエンド・ロールとか―、記憶に頼らざるを得ないし、時間をとられそうだし、当分の間は無理だろうなあ…。

*1:私は、幼いころから「インプリンティング」されたこともあってか、心情的巨人ファンなのです。

*2:映画としての出来ばえは、可もなく不可もなく―という程度。