誤読

雨。
大西巨人の『神聖喜劇』がコミック化されているというので本屋に行ってみたが、見当らない。
午後から大学。書籍部で、イェスペルセン 安藤貞雄訳『文法の原理(上)』(岩波文庫)と斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書)とを買う。斎藤氏の本は先月出る筈のものであったが、刊行が少し遅れたらしい。「ひみつ」が平仮名だというのが気になったが、なるほどそういうことだったのか*1
夜帰る。ロナン・オーラ(p)『モーツァルト ピアノ協奏曲第21番ハ長調/第23番イ長調』を聴く。「ロイヤル・フィルハーモニック・コレクション」という廉価盤の一枚で、高校時代からもう何度も聴いている。第21番の第一楽章(アレグロ・マエストーソ)を聴いて、高田美和主演の『軽井沢夫人』を思い出すのは私だけではないだろう。
山口瞳日本ペンクラブ編『人生の読本』(集英社文庫)を読む。これに、庄野潤三プールサイド小景」や木山捷平「定期乗車券」が収められていることはすっかり忘れていた。しかも、巻末の対談解説(豊田健次*2山口瞳)を初めて読んで、「プールサイド小景」を(「好きな小説」のひとつに挙げておきながら)これまで誤読していたことに気がついた。いやはや。
そういえば、大西巨人庄野潤三は九大中退/卒だった。いま思い出した。

*1:「あとがき」にその理由が書いてある。

*2:『それぞれの芥川賞 直木賞』(文春新書)の著者。