曇り。蒸し暑い。
関東は梅雨入りしたのだとか。関西は、明日から雨の日がつづくようです。
午後から演習を受講。午後六時半まで大学に居残る。
帰途Fに寄り、堀威夫『わが人生のホリプロ いつだって青春』(小学館文庫)を購う。この本、目次をみているだけでも面白い。「ワゴン・マスターズの人々」、「舟木一夫の離反」、「スパイダース大噴火」、「チャールズ・ブロンソンにアタック」、「突然の引退*1表明に困惑」…。
第三章に登場する守屋浩さんは、さいきん刊行されたビリー諸川『昭和浪漫 ロカビリー』(平凡社)のインタビューで、こんなことを述べておられます。
―ホリプロは、最初は堀(威夫―引用者)さんと守屋さんのふたりだけだったと聞きましたが?
「そのとおり!(笑)。そもそもオレが北海道でうたっているときに、昭和三五、六年の頃かな、当時堀さんが一緒にブッキングなどの仕事をしていた東洋企画の谷(富次郎)社長と喧嘩になって、ひとりで事務所を出ちゃったんですね。佐川満男やスパイダースといった多くのタレントを残して。そしたら堀さんから、『こうこうしかじかで、ひとりになっちゃったんだけど、守屋、おまえだけはオレに付いてきてくれ』とか言われて……。オレもこの世界に入れたのは、もとはといえば、堀さんのところへボウヤ(バンド・ボーイ)業を志願したことが始まりだったから、『わかりました。オレだけは付いていきましょう』と答えたんですよ(笑)。ところが事務所といっても場所がない。電話もない。それで、堀さんはオレのアパートにやってきて、二週間ほどオレの部屋と電話を使って仕事をしていましたね(笑)。それがホリプロの始まりですよ。でもそんな具合だから、お金がない。たしか月給一万五〇〇〇円でしたね」
―一万五〇〇〇円ですか? もう大スターの頃ですよね?
「ええ。にもかかわらず、衣装を二万五〇〇〇円で新調させられて、堀さんにバンス(借金)させられるわけですよ」
―生活がたいへんじゃないですか。
「ほんとうにたいへんでしたよ(笑)。華やかなスポット・ライトの影にバンス有りっていうやつでしたね(笑)」(p.47-48)
しかし『わが人生のホリプロ』によれば、守屋浩を『檻の中の野郎たち』の主役に抜擢したことが、渡辺プロとの大喧嘩の原因となってしまった(p.91)というのですが(ホリプロ旗揚げ前の話)……。
いずれ、ゆっくり読んでみようとおもいます。
さて、「週刊新刊案内」が更新されているので、気になる新刊をメモしておきます。
・紀田順一郎『書林探訪―古書から読む現代―』(松籟社)
・青木逸平『旧字力、旧仮名力』(NHK生活人新書)*2
・高崎一郎ほか『平成疑問假名遣 平成十七年版』(紀伊國屋書店)
・村上雅孝『近世漢字文化と日本語』(おうふう)*3
・加藤幹郎『ヒッチコック「裏窓」 ミステリの映画学』(みすず書房)
それから何故か、『図書寮本類聚名義抄 本文影印 解説索引』(勉誠出版)*4や大矢透編纂『仮名遣及仮名字体沿革史料』(勉誠出版)*5などの復刊本が相次いで出版されています。