吼える密林

久しぶりで、工学部のN君と会う。高校生のとき、一緒に某委員をやっていて、その頃からの知り合いだ。いま修士一年で、いよいよ就職活動を始めたらしい。また会うことがあるだろうか。
今日もまた、いろいろとあって、残念ながら、立川談志の特番をほとんど見られなかった(録画も出来ず)。往年の漫才師(青空千夜・一夜内海桂子・好江など)の映像や、講談師のあたりは少し見られたのだが。うーん、本当に残念。森繁久彌でシメていた。
谷崎潤一郎『月と狂言師』(中公文庫)を読む。
特に、「疎開日記」あたり。昭和十九年元日から敗戦まで。前半部は、「細雪」執筆日記としても読める。ただ、ところどころ旧字(正字)になっていて、その表記の方針がよく分らん。
それから、最近ちびちび読んでいるのが、南洋一郎『吼える密林』(少年倶楽部文庫)。これが面白くって。役割語も続出。タメにする読書でも、タメになる読書でもないが、現実逃避にはちょうどいい。南洋一郎といえば、「ポプラ社のルパンシリーズ」で思い出される方があるかも知れない。
唐沢俊一『カラサワ堂変書目録』(光文社知恵の森文庫)の「絵も文もアヤしい北氷洋活劇」(p.228-34)は、南洋一郎まぼろし船』についての文章。
「南方ものを得意とした洋一郎先生も、北洋の生物にはくわしくなかったのだろうか」(p.232)と書いているのがおかしい。まあ、唐沢氏は代筆ではないかとみているのだが。
演習後、毎度のことながら自己嫌悪に陥る。親は、話し方教室にでん通えばよか、と「笑いながら」提案するのだが、いやいや、かなり深刻な問題だ。