西山賢一『左右学への招待―世界は「左と右」であふれている』(光文社知恵の森文庫)をよむ。解説は、池内了「モノとコトの『新しい博物学』」。
「左右」の概念世界が、これほど豊饒なものであったとは。
台風や海流、言語脳と右利きの話、コリオリ力、陰陽説など。とりわけ興味ふかく読んだのは、やはり「第4章 文字から左と右を考える」。高橋行雄氏の大胆な仮説。右回りのひらがな、左回りのアルファベット。女文字、神代文字、縦書きと横書き、牛耕式。
ところで、来月、『別冊國文學 No.60 左右/みぎひだり―あらゆるものは「左右」に通ず!』が出るらしい。タイミングが良すぎる。「視覚と左右」「装束の左右」「絵巻の時空構成を書字方向から考える」「アサガオのツルは、右巻きか左巻きか」「宇宙の左右」「時・暦と右左」など。執筆者のなかに、『横書き登場』(岩波新書)の屋名池誠先生の名もみえる。
アサガオのツルの話は、この『左右学への招待』にもある。かつては対面的な見方(相手側から見る。すなわちこの場合は、「上」から見る)が中心で、「左巻き」とされていたが、近年は、即身的=本位的な見方(それ自体を基準として見る)が主流になったので、「右巻き」とされるようになったのだという。私は、小学生のころに、「左巻き」で習ったと記憶している。
様々のブログで知った、「経県値」。私もやってみた。以下のような結果になった。
http://www.geocities.jp/karasugawahekiheki/keiken.html?40000000000450400000005424553300440000031454400%E8%82%A5%E5%BE%8C%E4%B9%8B%E5%8A%A9
決して「狙った」わけではない。「通過した」は、車で通過した場合のみ。
夜、小林信彦氏をみた(週刊ブックレビュー)。テレビで見るのははじめて。『東京少年』(新潮社)は、数日前に面白く読んだばかりだ。あとほんの数日で出来上がるとかいう「書き下ろし」の作品が、気になる。