かなしき講義ノート

昨日、NHK放送文化研究所編『NHK ことばのハンドブック第2版』(NHK出版)が届いた。「ア行」の項目のみ、初版(1999年第9刷←1992年第1刷)と較べてみた。
NHK ことばのハンドブック 第2版
「足がある」、「あなたにとって○○とは?」、「余り米・余剰米」、「アメダス」、「荒れた天気・大荒れ」、「安楽死尊厳死」、「遺体・死体」の例文、「音信不通(いんしんふつう)」(空見出し)、「うまく」、「馬番連勝」、「OLする」(空見出し)、「大わらわ」、「おばあちゃん」(空見出し)、「泳ぎ」が消えている。
「味気ない(アジケナイ・アジキナイ)」、「硫黄島(○イオージマ ×イオートー)」、「『いき値』の読み」(「閾値」を「シキイチ」と読む慣用について)、「移住(者)・移民」の解説、「遺体・死体」の解説(不備を改め)、「『茨城県』の読み」、「飲酒運転・酒酔い運転・酒気帯び運転」の解説(=改正道路交通法を反映した内容)、「雨期・雨季」、「雲母(○ウンモ ×ウンボ)」が追加、訂正されている。
初版では巻末にあった「ことばQ&A」が、「コラム」となり、本文中に入っている。削られたのものあるようだ。
今日は午後から大学。久しぶりで、Oさんとお会いする。本を一冊借りる。
某所にて、池部良『言伝て鍋』(文藝春秋)210円を拾う。
F君との会話から、M君のことを思い出した。彼が亡くなって、はやいものでもう四年が経つ。彼は、十年一剣を磨き、これを試みることのないままこの世を去った。リテン*1を考えていたのである。
「じゃ、またいつか」。それが、最後に会ったときの彼の言葉だった。
彼に貸した講義ノートは、未だに捨てられずにいる。

*1:理数系に乗り換えること。