成瀬巳喜男生誕百年

成瀬映画が大好きです。もっとも好きとはいっても、フィルムの現存する作品のうち、三十一本しか観たことがありません*1。つまり半数にも満たない。まだまだ「入門者」にすぎないわけです。それを承知のうえで私なりのベスト10を択ぶとすれば、

  1. 『石中先生行状記』(1950,新東宝=藤本プロ)
  2. 『乱れる』(1964,東宝
  3. 『驟雨』(1956,東宝
  4. 『妻よ薔薇のやうに』(1935,P.C.L)
  5. 『流れる』(1956,東宝
  6. 『女が階段を上(あが)る時』(1960,東宝
  7. 『朝(あした)の並木路』(1936,P.C.L)
  8. 杏っ子』(1958,東宝
  9. 『銀座化粧』(1951,伊藤プロ)
  10. 『歌行燈』(1943,東宝映画)

……となりましょうか。ちょっと欲張りすぎましたか。しかし、それでも足りないくらいです。異色のサスペンス『女の中にいる他人』(1966)も個人的に好きですし、滋味あふれる『晩菊』(1954)の魅力も棄てがたい。そうそう、原節子の大胆(?)な演技がみられる『めし』(1951,東宝)も好きだったのだ。
このブログでも何回か書きましたが、今年は成瀬巳喜男の生誕百年に当ります。そのため、様々の企画が目白押しなのですが*2、もっとも注目すべきなのは、今月十四日から「日本映画専門チャンネル」で放送されているという企画です。五十九作品放送。ヴィデオデッキを酷使しなければなりません。私もいま、「心がざわつきはじめている」(より)ところであります*3
とり溜めた作品を、一体いつ観おえることができるのか全く分りませんが、何箇月、いや何年かがかりで、じっくり鑑賞していこうとおもっています。いつか五十九作品を観おえたときに、このベスト10の「顔ぶれ」がどう変っているのか(再鑑賞で評価が変るものもありましょう)。たのしみです。

*1:ほとんど、「日本映画専門チャンネル」で放送されたときに観ています。地上波では、よみうりテレビ(関西)の「シネマダイスキ」が放送していたのを観ました(三本)。

*2:企画展もあるのですが、だいたいは「東京」限定なのですよね。

*3:しかし今年度はこれから忙しくなるので、あまり多くは観られないでしょう。