吉村昭氏、鶴見和子氏が亡くなったという。
つい数日前、Tさん達と鶴見祐輔後藤新平の話をしたところだったのでちょっと驚いた。
中村希明『現代の犯罪心理―バラバラ事件からカルト集団の犯罪まで』(講談社ブルーバックス)再読。天下一家の会*1やM資金*2について思い出したいことがあったからなのだが、いわゆる“幻のホスト・クラブ”も取り上げられており、この様な入会金詐欺は「まだ正統派知能犯サギ師のモラルを守っている」(p.81)、とあるのが可笑しい。それからすっかり忘れていたのだが、『殺人狂時代』のモデルになった、“二十世紀の青ヒゲ公”アンリ・デジレ・ランドリューも出て来る。
現代の犯罪心理―バラバラ事件からカルト集団の犯罪まで (ブルーバックス)
また、「別府保険金殺人」(三億円保険金殺害事件)についての記述もあり(pp.53-55)、ハリー・フーディーニまで引き合いに出されているのだけれども、「彼(荒木虎美―引用者)はあくまでも無罪を主張して最高裁まで控訴をくり返したが、ついに獄中で自殺したので、真相は本人にしかわからない」(p.55)とあるのにオヤッと思った。
というのは、例えば『シリーズ20世紀の記憶 連合赤軍・"狼"たちの時代―なごり雪の季節』(毎日新聞社)を見てみると、「荒木は上告したが、89年1月13日、悪性液質がん性腹膜炎のため、拘置先の八王子医療刑務所で死亡した」(p.318)とあるからだ。
ちょっと調べてみると、どうやら「自殺説もある」、ということであるらしい。

*1:阿蘇山麓のピラミッド型ビル(?)、見たことがあります。

*2:この「M」は、マーカット少将の頭文字を意味するという説と、「MSA協定」の「M」だという説とがあるらしい。ところで、『愛の戦士レインボーマン』に「M作戦」(悪の組織「死ね死ね団」が偽造紙幣を製造し、<お多福会>という新興宗教を組織して現金をバラ撒き、インフレに誘導するという、子供向け番組らしからぬなんとも現実的な作戦)が出て来るが、「M」というのはそれを模したのだろうか(レインボーマンの再放送を見ていた頃は、単純に、"money"の頭文字かと思っていたのだが)。