u-senさんからお誘いがあって、梅田でお会いすることにした。心身ともにすさんでいたので、ご厚意が身に沁みる。
千日前古書センター(約一箇月ぶり)で、高木市之助『古典春秋』(毎日新聞社)500円、新村出『花鳥草紙』(中央公論社)函缺800円、十河巖『ザラ紙隨筆』(現代人社)500円、宮崎滔天『三十三年の夢』(平凡社東洋文庫)500円。特に、滔天の『三十三年の夢』500円は拾い物だ(他に東洋文庫を五冊程見つけたが、何れも千二百円以上した)。校注者のひとり宮崎龍介は、柳原白蓮が「白蓮した」相手。『しゃぼん玉親爺』のブロマイドというかスチル写真も見つけるが、買わず。
夕食および喫茶も難波ですませた。煙草をのむu-senさんがサマになっていて、羨ましく思う。緊張して余計なことまで喋る。しかし、好きな監督はと訊ねられて、言葉に詰まる。肝腎なときに言いたいことが言えない。なぜ、成瀬巳喜男やルネ・クレールのほかに、西村元男や島耕二あたりしか思い浮かばなかったのだろう。しかも作風が分るほど観たわけでもないのに、よくもまあ、「全体的に好き」だなどと、偉そうにぬけぬけと、「口幅ったい」ことが言えたものだ。自己嫌悪。
『日本語学研究事典』(明治書院)とどく(旧版の『国語学研究事典』はTESクラブをつうじて購入したことがある)。『未来』一月号もらう。Tさんとの会話から思い出したことがあって、家で『各國々名譯字記』をさがす。かつて出た新書版に一部加筆されたとかいう中村明『悪文―裏返し文章読本』(ちくま学芸文庫)も買う。
コピーしたはずの論文(の一部)を、筆記用具とともに何処かに置き忘れたことに気づき、おおいに焦る(次の日の午後、K君が渡してくれたのでひと安心。大学に置き忘れていたらしい。ほんとにどうかしている)。