読み物ふう辞典を掌中に

三省堂百科辞書編集部『婦人家庭百科辞典(上)(下)』(ちくま学芸文庫

婦人家庭百科辞典 上 あ-し (ちくま学芸文庫)
昭和前期の百科辞典*1が、なんと文庫本になりました。たいへんヴォリュームのある本です。解説は、文庫版『言海』とおなじく、武藤康史さん。
百科辞典というよりも、むしろ貴重な「読み物」だと言えそうで、たとえば「えいが」の項は飯島正、「えんげき」の項は岩田豊雄(つまり獅子文六)など、名だたる文化人たちが項目執筆を担当しています。
またこの本は、昭和前期の新語流行語辞典としても活用できそうです。気になるところを、ちょこちょこと拾い読みしていこうとおもっています。

*1:「百科事典」というのは、平凡社創業社長・下中彌三郎の造語です。石山茂利夫『裏読み深読み国語辞書』(草思社)のp.98-99など参照。