今日から日記形式で

晴れて寒し。昼前に家を出て、K書店で二十分ほど立読み。
研究室に行くまえに書籍部に寄る。やはり我慢できずに、小林信彦『東京散歩 昭和幻想』(光文社知恵の森文庫)を購う。増刷されている。以前、ここで「買わなくてもいいか」などと言っていたのに買う気が起きたのは、あちこちのブログで取上げられていて、そのひとつひとつを面白く読んだから。今月は、『物情騒然。』が文庫で出るし、『本音を申せば』も出る。後者は単行本だから買えないかもしれないが、前者はきっと買います。
小林信彦の本は、だいたい文庫で集めている。しかし、意識して集めはじめたわけではない*1し、(小林氏の)小説はあまり読まないので、ひじょうに偏ったコレクションになっている。『世界の喜劇人』(新潮文庫)をバザーにて百円で入手したのがちょっとした自慢であるが、いま話題になっている『1960年代日記』は所有していない。しかし昨年、某先生が貸して下さったので読むことができた。
研究室にて、某先生から論文のコピーをいただく。現代日本の略字についてのもの。クニガマエに「書」と書く字*2の略字(クニガマエに「ト」)も取上げられている。また某先生から、石井研堂明治事物起原』(ちくま学芸文庫,全八巻)など本をたくさん頂く。高くて手が出なかったものなので、ほんとうに嬉しい。
帰途、O書店に寄り、緒方竹虎『人間中野正剛』(中公文庫,1988)を拾う。三年ほどまえ、「千夜千冊」で取上げられていた。そのときに知った本。
夜、荒畑寒村『艦底』を読む。集英社版『日本文学全集87 名作集(二)』所収。寒村と大杉栄の共同編集による月刊誌「近代思想」(大正元年十二月号)に発表されたもの。
十時頃、きのう録画しておいた『タモリのジャポニカロゴス』を観てから(構成は第一弾とほぼ同じ)、BS2の『薔薇の名前』(1986)を録画して寐る。

*1:六、七年前はそうであった、ということです。もちろん現在は、意識して集めています。

*2:「図書館」の義。阿辻哲次『漢字三昧』(光文社新書)が、この字のピン音表記「tushuguan(声調は略)」を認めるか認めないか、という問題について書いている(p.92-p.94)。『現代漢語詞典』の初版や二版はこれを「音」として認めている。しかし、1996年に出た修訂第三版は、この字じたいを削除しているという。そこで私の持っているものを見てみたが、これは1999年の第三版第242刷で、当然ながら採録していない。2002年の修訂版も同じであろう。また1994年の『中華字海』(中華書局、中国友誼出版公司)は、字は採録しているがピン音表記はなし。