橋本忍の本

図書館で、本を七冊借りてくる。
脚本家・橋本忍の世界 (集英社新書)
今日はひさびさにKに寄り、村井淳志『脚本家・橋本忍の世界』(集英社新書)を購う。「新・読前読後」の評、特に「自らの嗜好と研究実践の幸福な結合の結果生まれたのが本書なのだ」という一文に強くひかれて衝動買い。本書で酷評されている『砂の器』(原作)については、たとえば豊崎由美さんも、岡野宏文豊崎由美『百年の誤読』(ぴあ)のなかで「真相は前半のリアリズムと相反するようなトンデモさ加減。がっかりですよ」(p.225)と書いていますが、私はそういう「トンデモさ加減」もひっくるめて『砂の器』が好きです。
ところで残念なことに、本書は名作(人によっては「迷作」「ゲテモノ」)『幻の湖』(1982)に全く言及していないようです。あるいは、あえて「避けた」のか。
魅せられた美女?江戸川乱歩の「十字路」? [DVD]
さて書籍部に寄ると、CDやDVDの在庫一掃セールがやっていました。せっかくなので、DVD『魅せられた美女―江戸川乱歩の「十字路」』を買う。九割引で380円。それにしても天知版明智シリーズ、煽情的なタイトルのものが多いなあ。『エマニエルの美女』だの『禁断の実の美女』だの『白い素肌の美女』だの。
そういえば映画『死の十字路』(1956)は、『魅せられた美女』などの「美女」シリーズと同じく井上梅次が監督した作品。映画版には、明智小五郎が登場せず、南探偵(大坂志郎)のみ出てきます。三國連太郎が「老け役」伊勢省吾に挑んでおり、沖晴美に扮するのは新珠三千代でしたっけ。ちなみに、『魅せられた美女』で沖晴美を演ずるのは岡田奈々