頑張れ書肆心水

書肆心水」の新刊二冊を本屋で見かけた。『宮崎滔天 アジア革命奇譚集』(『明治国姓爺』と『狂人譚』を収めている)と、渡辺京二『評伝 宮崎滔天』である。後者は、約三十年前に刊行された本の新版。渡辺氏は新たに附されたあとがきで、今どきこんな本を出して商売になるのだろうか、もっとも「商売」のことなど端から考えておられないだろうが云々、というようなことを述べておられる(引用は不正確)。
書肆心水は、二年前の秋に創業したばかりなのだが、たいへん魅力的な内容の本をどんどん出している。モーリス・ブランショとか、北一輝とか、ジュリアン・グラックとか。
そして、現在の「近刊予定」に入っているのが、杉山茂丸『俗戦国策』『百魔(正続完本)』『其日庵叢書第一編 杉山茂丸怪文集』なのだ! 採算を度外視した「書肆心水」の気概に感動してしまう。私には財力がないので、本当に歯痒いところだけれども、せめて、せめて、杉山茂丸の著作の一冊くらいは買います。