出来ればながながと感想を書きたいが紹介だけ。

文革‐南京大学14人の証言

文革‐南京大学14人の証言

 昨年末に日本で先行発売された本だが、頗るおもしろい。コラムや解説もわかりやすい(各派概略図なども示してある)。ホンの数日の間に反革命分子が革命戦士に転じてしまう不思議。当時の学生と農民との関係などが生々しくえがかれている。
 これまでは、手軽な邦訳の文革関連書というと、
紅衛兵の時代 (岩波新書)

紅衛兵の時代 (岩波新書)

とか、
私の紅衛兵時代-ある映画監督の青春 (講談社現代新書)

私の紅衛兵時代-ある映画監督の青春 (講談社現代新書)

とか、「北京」の話が中心だったのだけれども、今度は「南京」なのである。しかも、「聞書き」で、様々な立場の人たちの話が一冊で読めるから、これはお買得である。

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 陳凱歌『私の紅衛兵時代』は、

知の収穫 (双葉文庫―POCHE FUTABA)

知の収穫 (双葉文庫―POCHE FUTABA)

のpp.145-47に、唐亜明『ビートルズを知らなかった紅衛兵』(岩波書店)とともに挙げられており、その記事を読んで興味が湧いたのだったか、柳下毅一郎の書評、というか紹介記事(『この新書がすごい!』洋泉社MOOK、p.39)を読んで食指が動いたのだったか、そのあたりの記憶は曖昧なのだが、とにかく七、八年ほど前に読んだ。
 張承志『紅衛兵の時代』のほうは、ごく最近になってから読んだ。著者は、「紅衛兵」という語の発案者とされる(p.40にその経緯が書かれている)。これもおもしろい。おもしろいのだが、いかんせん、元紅衛兵の立場から書かれた本なので、紅衛兵のもたらした「甚大な」被害について詰めが甘い点は否めない。それでも、妥協を許さず、反骨に徹して生きてきたことはよく伝わって来る。

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 私が「文化大革命」をはじめて知ったのは、中学時代の世界史の授業であったか。その後、田壮壮『青い凧』を観たり、『週刊日録20世紀』(講談社)で「四人組」逮捕の記事を読んだりしたのだが、正直にいって、江青たちが一体何をしたのか、よく分っていなかった。