購書記録から

十二月某日
 おくだで猪俣勝人・田山力哉『日本映画作家全史上・下』(現代教養文庫)500、三京で貝塚茂樹小川環樹『日本語の世界3 中国の漢字』(中央公論社)1000をようやく入手、このシリーズの一部が文庫化され始めたとき(最終的には六巻くらい文庫化されただろうか)、いずれ「中国の漢字」も*1、と期待していたのだが、文庫落ちする気配がない。やむなく単行本を捜していたのだが、捜し方がわるいのか、なかなか見つからなかったのである。

十二月某日 
 池崎で長田弘『私の二十世紀書店』(中公新書)350、三京で結城昌治『明日の風』(朝日新聞社)1000。

十二月某日
 クラインで、稲垣史生編『三田村鳶魚 江戸生活事典』(青蛙房)1570円。「変態十二支」が、多数(おそらく全巻)放出されていた! 相場よりも半分以下の値段で買えるのだが、そんなに金がないので、涙をのんで断念。クラインで、磯貝勝太郎歴史小説の種本』(こつう豆本)800。

十二月某日
 シルヴァンで、伊藤正雄・足立巻一(!)『要説 日本文学史』(教養文庫)200。Hで、海老原嗣生『学歴の耐えられない軽さ』(朝日新聞出版)を20%引きで。

一月某日
 梅田に寄る用事があったので、Nで薄田泣菫『茶話』(岩波文庫)、加地伸行史記』(講談社現代新書)各100。『茶話』は、冨山房百科文庫の完本をすでに持っている(六年前に八重洲ブックセンターで買った)。岩波文庫版の解説では、坪内祐三が百科文庫のほうを読むべし、というようなことを書いていて、おかしい。またFで、南洋一郎(「訳」というより、もはや「作」といっていい)『古塔の地下牢』(ポプラ文庫クラシック)をかう。懐かしい表紙絵。

一月某日
 生協で、阿辻哲次『漢字文化の源流』(丸善)。

一月某日
 アルバイトの前に、Mで高杉一郎『新版 極光のかげに』(冨山房百科文庫)200、有坂秀世『音韻論(第三版)』(三省堂)1000。Jで、光岡明千里眼千鶴子』(河出文庫)かう。

一月某日
 双葉十三郎さんの訃を知る*2。昨年十二月に亡くなっていたのだそうだ。享年九十九。故・瀬戸川猛資の尽力になる『ぼくの採点表』は持ってないが、文春新書版で6冊出た(自伝も含む)のは全部そろえていて、これは座右の書のひとつだ。
 図書館で勉強をした後、久々にOの210均に寄ると、いい本が沢山出ている。日夏耿之介『鷗外と露伴』(創元選書)、島尾敏雄『日記抄』(潮出版社)、島尾敏雄『忘却の底から』(晶文社)、石田道三郎『書翰文辭書』(郁文舎)。岡本綺堂『十番隨筆』(新作社)は、一部が故意に抜取ってあり、欠陥商品だが、210円なのでこれも買う。Tで、カント 中山元訳『純粋理性批判1』(光文社古典新訳文庫)。『純粋〜』はむかし天牛で一冊50円の岩波文庫版(全三巻)を買い、気合を入れて読み始めたが挫折した。今度は全七巻だそうだ。取敢えず、一巻だけでも買ってみようかと。

一月某日
 アルバイト前に、Jで渡邊十絲子『新書七十五番勝負』(本の雑誌社)、春日太一『天才 勝新太郎』(文春新書)。春日氏の本は、デビュー作の『時代劇は死なず!』(集英社新書)がたいへんおもしろかったので、この新作もきっとおもしろいのではないかと。『座頭市』は、ここ三年、ぼちぼち観ている(初期の三作品はもうずいぶん前に観たが)。

新書七十五番勝負

新書七十五番勝負

*1:「日本の漢字」は文庫化されたので。

*2:週刊新潮』「墓碑銘」欄でも記事になっている。