ワゴンセールと『百魔』と

本田美奈子.が亡くなった。享年三十八とか。驚いた。そんなに重篤だとは思わなかったのだ。
今日は、「阪急古書のまち」のワゴンセールに行った。
中尾松泉堂で、巖谷大四『波の跫音―巖谷小波伝―』*1(新潮選書)200円、倉石武四郎『漢字の運命(改版)』(岩波新書)100円、阪倉篤義『日本文法辭典』*2アテネ文庫)100円、原田種成『漢字の教養』(愛育新書)100円、福田章二『喪失』(中公文庫)100円、吉川幸次郎『人間詩話(正)(続)』(岩波新書)100×2円、風間喜代三言語学の誕生―比較言語学小史―』(岩波新書)100円を買う。
梁山泊で、野坂昭如野坂昭如雑文の目』(久保書店)300円、齋藤弔花『蘆花と作品』(晃文社)300円を買った。それなりに収穫はあったが、この『蘆花と作品』が本日いちばんの戦利品かも。
その内容については、中野好夫が次のように書いている。

戦中昭和十七年に出た斎藤弔花の「蘆花と作品」と題した小著がある。本そのものは、ごく一通り蘆花の生涯と作品とを型通りに解説したもので、特に取り上げていうほどのものではないが、ただその中の一章「明治中期を描く『思出の記』」というのに、ちょっと面白い挿話がある。(挿話は略す)
中野好夫『蘆花徳冨健次郎 第二部』筑摩書房,「附録 蘆花探訪拾遺」p.435)

また著者の齋藤弔花については、以下を参照のこと。

斎藤弔花については、国木田独歩の年下の友人、そしてまた「独歩と武蔵野」、「国木田独歩と其周囲」などの著者として、むしろそちらの方では一応知られているはずである。新聞記者出身で、明治三十五年、独歩が鎌倉の借家に住んでいた一時期には同居までしたはずだが、それ以上のことはよく知らぬし、またあまり知る興味もない。蘆花との関係が直接どうだったのかは判明しない。おそらく独歩を通じて面識くらいはあったらしいが、それ以上のなにか親しい交渉があったような形迹はない。(同,p.435-36)

それからついに、杉山茂丸『百魔(上)(下)』(講談社学術文庫)初版カバ帯2000円を萬字屋で購入。
テキストとして役立ちそうもないことは承知していたが、とりあえず手許に置いておきたかった。

*1:文春文庫に入ったのだっけ。

*2:著者献呈本。