『初笑い! オールスター 昭和なつかし亭』

正月三が日のテレビ番組。映画*1を除くと碌なものはやっていないような気がする*2(昨年は、三が日ではなかったが、古畑任三郎ファイナルがかかっていた)。山本モナが復活するとかで年末から話題になっていたお笑い番組を見てみたが、ものの五分と経たないうちにそのつまらなさにあきれてしまった*3。しかしただひとつ、真底、「面白い」とおもった番組がある。BS2の『初笑い! オールスター 昭和なつかし亭』がそれだ。
録画して、二〜三日がかりで少しずつ見ることにした。まずは昼席から(全部はまだ見ていない)。
司会は竹下景子島崎和歌子高山哲哉アナ。この顔ぶれに最初は不安を感じたが(ゴメンナサイ)、杞憂だった。昼席の出演者、演目を以下に書いておくことにする(収録年も併せて記す)。
内海好江・桂子「オペラは楽し」(神津友好作、「年忘れ漫才競演」昭和五十八年)
青空千夜・一夜「クラブ活動」(遠藤佳三作、「年忘れ漫才競演」昭和六十一年)
Wけんじ「秋です問答」(「東西漫才大会」昭和五十二年)
リーガル天才・秀才「文化人ぽいね」(「年忘れ漫才競演」昭和六十一年)
獅子てんや・瀬戸わんや「何んで行ったの」(「漫才十八番」昭和五十二年)
コロムビアトップ・ライト「おとぼけ孫談義」(「年忘れ漫才競演」昭和五十八年)
春日三球・照代「乗り物アラカルト」(「漫才十八番」昭和五十二年)
中田ダイマル・ラケット「僕は幽霊」(「夜の指定席」昭和五十五年)
夢路いとし・喜味こいし「花嫁の父」(中田明成作、「東西漫才競演」昭和五十二年)
かしまし娘修善寺物語」(「かしまし娘結成25周年 愛と笑いのある限り」昭和五十五年)―未見
レツゴー三匹ミステリーゾーン キャッツ」(「演芸指定席」昭和六十一年)―未見
海老一染之助・染太郎「太神楽」(「ひるのプレゼント」昭和五十五年)―未見
東京コミックショウ「レッド・スネーク カモン」(「お笑い指定席」平成元年)
五代目 柳家小さん「狸賽」(「新春寄席中継」昭和五十八年)
昼席のゲストは(藝を披露した人も含む)、昭和のいる・こいる春日三球澤田隆治ザ・ぼんち(「頭の体操」)、正司歌江内海桂子春風亭小朝昭和のいる・こいるは、若手中心のお笑い番組にもよく出ているが、この番組ではずっと活き活きしているように見えた(射程をはかりかねている感じが無かった)。
好江桂子あたりは「くすくす」程度であったものが(視聴に集中出来ていなかったせいもある)、Wけんじあたりから「のって」きて、天才秀才、てんやわんや、トップライトあたりで笑いに「ドライブ」がかかって、三球照代のいわゆる「地下鉄漫才」を初めて見て感動し、ダイラケ、いとこいのネタはまさに捧腹絶倒、涙までついと出て来た。トリは小さんの「狸賽」。小さんが得意としていたこともあって、その仕種にずんずん引き込まれた。例えば志ん生の「狸賽」はどちらかというとサゲも言葉重視であるらしいが(活字でしか読んでいないのであまり知らない)、小さんの「狸賽」はやはり映像でみておくべきだなと再確認。
時間の都合上、まだ見ていないものもあるが、夜席と併せて楽しむことにしようか。

*1:とりわけ楽しみなのは、生誕百年を迎えた渋谷實特集(衛星劇場)!

*2:もちろん、その全てをチェック出来ようはずもないので、「気がする」程度に止めておくことにする。

*3:たまたま見ていたところが面白くなかったのか?